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水泳でも一流だったロッテのドラ1ルーキー・安田尚憲

文春野球コラム オープン戦2018

2018/02/19
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水泳で養った忍耐力と集中力

 小学校5年生をもって水泳の習い事をやめてから野球に打ち込んだ。名門・履正社高校から昨秋ドラフト1位でマリーンズ入り。今春のキャンプでは一番の注目を集める若者となった。そんな黄金ルーキーが習い事で行っていた水泳は野球をする上でなにか生きているのだろうか? 素朴な疑問をぶつけてみた。

「う~ん。水泳をやっていなかった時の自分が分からないのでなんともいえないですね。あえて言うなら忍耐力。スイミングスクールはスパルタでけっこうしんどかった。自分は大会を目指すわけでもなくトレーニングの一環として行っていた事もあって厳しい想い、しんどい想いをしてまで泳ぎ続けるのには子供の時の自分にとって忍耐が必要でした。水の中でひたすら自分と向き合って、泳ぐ。そこで忍耐力がついたような気がします。あとは集中力ですかね」

 ちなみにスイミングスクールとは別に安田が育った大阪府吹田市は水泳に力を入れている地域としても知られている。小学校の夏休み期間もほぼ毎日、水泳の授業が行われ徹底的に泳がされ、高学年になると夏に臨海学校という行事があり海で遠距離を泳ぐ。1月に測定をした筋肉量は76.8㎏でマリーンズでは井上の86㎏に次ぐ数値。この素晴らしい体躯と筋肉はきっと少年時代の水泳とは関係性があるに違いない。

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「体がでかいこともあって学校内でクロールでは負けたことはない。タイム的に背泳ぎは少し苦手。バタフライも得意です」

 意外と水泳の話題になると目を輝かせながら話をする。子供の時に忍耐力を養った水泳ではあるが、その体は水の中で泳ぐことを苦にしていない。現在の彼を形成する上でやはり大きなウェートを占める要素であるように感じた。

 キャンプ初日以降、プールトレーニングが組み込まれることはなく順調に野外での練習メニューを消化した。注目の新人はグラウンドで長打力、適応力、柔軟力などを見せ紅白戦、対外試合でいきなり「4番サード」で起用されている。期待を一身に背負うが、気負いはなく自然体。将来のマリーンズを引っ張る選手になるべく日々、成長している。そんな背中を見てふと思った。もし本格的に水泳の道を選んでいたらどうなっていたのだろう。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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