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プロポーズ直前、箱根の温泉で知った「がんの疑いあり」――はんにゃ川島、腎臓がんを語る#1

はんにゃ・川島章良インタビュー #1

2018/03/06
note

「私もがんばって子ども生むから、一緒にがんばろうよ」

──どんな反応でしたか? ショックを受けられたのでは。

川島 それが、意外にも「絶対大丈夫だよ」と明るく言ってくれたんです。「たぶん初期だし、私もがんばって子ども生むから、一緒にがんばろうよ」って励ましてくれて。それまで真っ暗だったのに、その言葉を聞いて、スパ〜ンってひらけた気がしました。

 

──それは励まされますね。

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川島 あと、「赤ちゃんが見つけてくれたんじゃない?」と言ってくれたのも嬉しかったですね。このタイミングで健康診断に行ったのも、奇跡的に初期で見つかったのも、お腹の赤ちゃんが見つけて教えてくれたんじゃないか、って。

「がんの疑い」と言われて、両肩に横綱が乗ったみたいにズブズブ沈んでいく気分だったのが、肩の荷が下りたというか少し楽になって。「よし、じゃあプロポーズしよう」と気を取り直して「ちょっとふすまを開けてみて」って言いました。

──ふすま?

川島 サプライズのつもりで、ふすまの向こうにプロポーズの手紙と結婚指輪代わりのプレゼントを隠していたんです。「結婚してください」と書いた手紙を読んだ瞬間、彼女が「今じゃない」って泣き出しちゃったんですよね。それまで我慢していたのと、気持ちの整理がつかないのとが一気に来たんだろうと思ったら、僕も泣けてきて。「ごめん、今じゃないよね」って2人で号泣したのを覚えています。