昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

平昌五輪マスコット「スホラン」に“頭が大きすぎる説”を直撃

朴槿恵前大統領は「珍島犬にかえろ」と指示したが……

2018/02/21

 北朝鮮の選手も思わず「かわいい」と漏らした、平昌オリンピックで爆発的な人気を見せている公式マスコットの「スホラン」。

スホランは頭が大きすぎてバランスが悪い?

 そのスホランを平昌オリンピック観戦でたまたま見かけた日本人の知り合いがこんなことを心配していた。

「2回ほど、夕方にスホランを見かけたら、両脇をスタッフに抱えられるようにして歩いていたんです。頭が大きすぎて、バランスが悪いのかしら、なんて気になっちゃって……」

 その真相はさておき、スホランの頭が大きいのは、韓国でも話題になっていた。

スホラン(右)とバンダビ(左) 撮影/筆者

 全国紙の記者が語る。

「スホランは白トラがモチーフとなっていて、トラはどちらかというと険しい顔のイメージ。それに親近感を持ってもらおうとデザイナーが試行錯誤して人の顔に近づけたといわれていて、キャラクターは頭が大きければ大きいほど、かわいがられるのだそうです」

 スホランを生み出したデザイナーが選出されたのは、2014年末のこと。

IOCが難色を示した「珍島犬」案

 その後、どんなキャラクターにするのか紆余曲折を重ね、ようやくトラとカササギにたどり着いて作業に入った。トラは韓国では古くから「守り神」として伝わり、「白トラ」はさらに幸運をもたらすとされ、「カササギ」は、吉報を運んでくる鳥として韓国の国鳥でもある。その「トラ」が突然、韓国の天然記念物「珍島犬」に変更になったことがあったという。

「2016年に朴槿恵前大統領が平昌オリンピックのマスコットを『珍島犬にかえろ』と指示したのです。しかし、その報告を受けたIOC(国際オリンピック委員会)は韓国に犬食の習慣があるという理由から難色を示し、結局またトラに戻りました。その後、カササギもオリンピック開催地の江原道を代表するツキノワグマに落ち着きました」(同前)

会場のあちらこちらにスホランの姿が 撮影/筆者

 オリンピック開催前に地元を訪ねた時も、地元の人はこんな風にこぼしていた。

「マスコットがトラになって、ソウルオリンピックの時とどんな風に違うのか、それとも親子のように似ているのかなんて話題にしていたら、突然、珍島犬に変更になったと聞いてびっくりしました。珍島犬は珍島(韓国南部)の特産で、『平昌は全然関係ないじゃないか』と地元ではブーイングでしたよ。朴大統領は、そんなことを言いだしておいて、飼っていた珍島犬は大統領官邸に置き去りにしていったんですから、開いた口が塞がりません」

 今となってはスホラン以外のマスコットは考えられないが、そんな波乱もあったのだ。

金メダリスト・羽生選手の手にもスホラン ©JMPA

この記事の画像