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連載近田春夫の考えるヒット

近田 春夫
2018/02/28

NHKの冬季五輪テーマが“世界の終わり”だったことについて――近田春夫の考えるヒット

『サザンカ』(SEKAI NO OWARI)/『ハロー カゲロウ』(GReeeeN)

絵=安斎肇

 それがたとえピョンチャンであろうとなかろうと、オリンパラリンどっちのピックにしろ、まったく心の底から興味のきょの字もな〜い! とかなんとか、誰かそんなことでもいおうものならあーた、本当に大変なことにさえなりかねない、一事が万事そんな昨今の国体/社会の風潮ではある。かどうかはホントいうと全然よくわかっておりませんわたくしですがね、ともかく開会式すらも観ていないのは本当だ。したがいまして各在京TVキー局の今大会に寄せてのテーマ曲など、無論一度たりとも耳にはしておらず、申し訳ない。当然ながらその陣容については一切知らぬ。

 あ、そうなんだ! NHKはSEKAI NO OWARIなんだぁ! とさっき初めて知ったところだ。

 ところで話はそれるが、ふと思ったんだけれども、この俺のいまのいいまわしを外国語に訳すとして、下手すると、

「日本の公共放送の韓国冬季五輪のテーマは“世界の終わり”である」

 になってしまう可能性ゼロとはいえないよね。誤配信、または、あえて確信犯的にそう韓国に向けてアナウンスをするような輩(やから)も、この際出てこないとは限らない。

 ホットな話題としてアメリカNBCの舌禍の件もある。そうじゃなくても色々と二国間で神経質にならざるを得ない問題山積のこんなご時世に、日本放送協会も万が一の危機管理というんですか? このようなひょっとして相手に誤解を与えかねないようなバンド名は、ちょっといくらなんでもかかる状況下にはふさわしくないのでは? とか、人選の会議なんかで全然もめたりしなかったのかなぁ?

 おっと。音楽と関係なさすぎの話になってしまった。本題に戻ろう。

『サザンカ』の映像付き音源をチェックし、感じたなによりのことを率直にいってしまうと、え?! である。

 なにせやたらと陰気というか、物悲しい、まぁ、それを業界用語でリリカルっていうんだと思うのだが、そんなサウンドにこれまた超ふさわしい、なんであえてリスナーをこんな暗〜い気分にさせるんだぁ! みたいな――集約すればいわゆる負けるが勝ち系の哲学なんですかね――コツコツやること、頑張ることが人生でなにより大切なんだゾ的歌詞がのっかってて、これを聴きながら、リスナーはどうやって気持ちを盛り上げていきゃあいいのよ?(笑)

 そりゃあテーマソングがイコール応援歌という短絡的な話ではないにせよだ。国と国とのぶつかり合いである。もう少し勇ましい、気分が高揚するような音楽にするのが、筋なんじゃないのか!

 この曲がNHKに選ばれた理由をあれこれ考えたが、クーベルタン男爵の有名なお言葉、参加することに意義がある! の精神をここに見つけたってことなのかしらんね。

ハロー カゲロウ/GReeeeN(UNIVERSAL)

 GReeeeN。

 こちらはフジテレビ。久々に聴く彼らだが、持ち前の明るく爽やかな作風は健在だ。

サザンカ/SEKAI NO OWARI(2月28日発売予定)ドラマ仕立てのMV動画公開中。夢追い人を「そっと後押し」ソング。NHK冬季五輪テーマ。

ハロー カゲロウ/GReeeeN(UNIVERSAL)フジテレビ系テーマ。夢と現実の間であがく人たちを「カゲロウ」に喩える

他、日本テレビ系『白が舞う』(嵐)、TBS系『Hero』(マライア・キャリー)、テレビ朝日系『1461日』(福山雅治)、テレビ東京系『翼』(NOKKO)。

今週の営業活動「“それいゆ”っていう14歳の女の子のアルバム『My Name is SOLEIL』(3月21日発売)にオレも楽曲を提供したんだけど、世の中、大人数アイドルユニットから、ピンのアイドル歌手に回帰する風が吹いてきているのかな」と近田春夫氏。「なんにせよ、今年はオレも作詞作曲その他頑張りますんで、よろしくお願いしまーす!」