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楽天ルーキー西巻賢二 ダジャレで梨田イズムを継承

文春野球コラム オープン戦2018

 先日、沖縄の金武町(きんちょう)で行われている楽天イーグルスのキャンプに行ってきた。今月2回目の沖縄だったのだが、2週間前に行った時はまさかの気温6度。沖縄やと思って行ってるだけに余計に寒さが身にしみる。それならばと前回の教訓を活かし厚手のジャンパーを持参したが、そんな僕を嘲笑うかのように気温21度。気づけば4LのウィーラーTシャツ一枚で内野スタンドに腰掛け沖縄そばをズルズル。

 練習が始まると球場に選手達の叫び声がこだまする。その中でもひときわ大声で叫び続ける選手の姿が、新選手会長の岡島豪郎選手だ。

 11日の紅白戦、14日のKIAとの練習試合では久しぶりのマスクをかぶっての出場に僕は驚いた。きっと捕手登録を二人で行きたいとのチームの方針だろうが、選手会長にプラスしてスーパーサブにせよ再び捕手を兼任となると岡島選手への負担は物凄い事になる。打てるキャッチャーと喜ぶファンもいるが、トレードで入団してきた山下斐紹捕手の加入によりレベルの高い競争の末、岡島選手が外野手に専念できる事を期待しているし、本人もそう願っているのではないだろうか。

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 1月に京都で行われていた自主トレの見学に行った際、岡島選手が一緒にトレーニングしていた石原彪捕手のキャッチャーフライの捕り方を見て「その捕り方ではナイターだったらやってまうぞ」と熱心に何度も何度も指導していたのを思い出した。きっと俺にマスク被られてるようではダメ、這い上がってこいのメッセージだったのかもしれない。

 さて、その日は韓国の三星ライオンズとの練習試合だったのだが、試合前のボールまわし守備練習で、ある選手の動きに目を奪われた。ドラフト6位ルーキーの西巻賢二選手だ。

高卒ルーキー・西巻賢二とのツーショット ©かみじょうたけし

 仙台育英高校の卒業式もまだ終えていない高校生の彼が一軍キャンプで昨シーズンゴールデングラブの銀次や、チームに帰ってきてくれた渡辺直人、三好匠などに混じってなんら遜色ないプレーを見せてくれる。ボールを処理するまでの動きはもちろん、一番驚いたのがスローイングだ。

 身長167センチとプロ野球選手としてはかなり小柄だが、異常に肩が強い。ショートからファーストへ何度も何度も正確で伸びのある球が送られる。高校時代にピッチャーとしても140キロ前後の直球を投げていたのはだてではない。そして練習試合では途中出場で2打数2安打2打点、9回のタイムリースリーベースでは脚もある所までアピール出来たのではないだろうか。

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