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裁量労働制は、働かないおっさん対策にもなるはずなのに

変わらない日本の封建的労働環境

2018/03/01

 人手不足も深刻化してくると、活況になるのは転職市場であります。

 利益なき繁忙というか、景気回復の実感がこれと言ってない人にとっては、たいして手取りも増えない割に社会保障費だけはガッツリと取られる昨今は、嘆くしかない状況ではないかと思うんですよね。そういう人に限って高値でビットコイン買って暴落して売るに売れない状況になって、だから真面目に働いておけば損しないですんだのに、っていう局面に陥ってるみたいですね。ご愁傷様でーーす^^

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ベンチャー企業までもがプロパー信仰する日本の病

 まあ終身雇用なんて、そもそも日本の戦後には言うほど無かったわけですし、今では最初入った会社で定年まで勤め上げるなんて話はかなりの少数派になってきています。確かに一つの会社で最後まで、というのはある種の日本人の美徳みたいに言われ、中国の「二君に仕えず」みたいな武将忠誠度のような、転職を悪とする文化がずっと続いていたようにも思います。昇進するのにその人の能力ではなく「生え抜き社員であるかどうか」というプロパー信仰があったり、その会社の中だけで通用する生き字引が各種意志決定を行う調整役として重宝されるのは、いわゆる大企業の宿痾です。

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 なのに、最近では中堅企業や、場合によってはベンチャー企業までもが、中途採用を下に見る姿勢を公言して憚らない事例が多くあります。お前ら創業時点では数人しかいなかったのに、初期に企業に合流した古株社員ばかりを重用する風潮は、若くして成人病になる生活習慣の悪い能無しのようです。