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オールスターで大活躍。大谷の二刀流にメジャー関係者も脱帽

source : 週刊文春 2016年7月28日号

genre : エンタメ, スポーツ

HR競争では計9本のアーチをかけた
Photo:Kyodo

「やるとは思ってたけど、ここまでとは……やっぱ凄いな」

 15日に行われたオールスター第1戦の開始前のホームラン競争。山田哲人、柳田悠岐という昨年のトリプルスリー達成者を続けて破って優勝した大谷翔平投手(22)を見て、ネット裏の報道陣からは思わずこんな声が漏れた。

 ホームラン競争は通常はベタ記事扱いだが、大谷の活躍で今年は大きな扱いになった。まさに千両役者だ。

「そもそも投手として選ばれた大谷がホームラン競争に出ること自体、驚きでした」とはスポーツ紙デスク。右手中指のマメを潰した時点では本人が「(球宴で投げるのは)無理です」と語っていたというが、出場予定選手が辞退すると後半戦開始から10試合出場停止というペナルティがあるので球団は出場を模索した。

「結果的に、野手として出場することに、12球団全てが了承し、異論も出なかったそうです。他球団も彼の商品価値を認めている証拠で、それを本人はしょっぱなのホームラン競争での大活躍で証明した。これこそ二刀流を続けてきた最大の成果でしょうね」(前出・デスク)

 第2戦にはDHで出場し、ホームランを含む3安打2打点の活躍でMVPに輝いた。

「みんなホームランを打ててすごいな、と思っていた。(自分も打てて)よかった」

 と本人はあっけらかんと語ったが、元々、同僚で飛ばし屋の中田翔が「翔平の打撃練習は凄い。日本人では一番飛ばすでしょ」と一目おくほど飛距離が出る打者だ。昨年は打撃面では納得のいく結果を出せず、オフには特に打撃練習に力を入れていた。その成果は明らかで、今年になってスイングスピードが増した。

 今では、「投手か野手か、どちらかに絞れ」と言う球界OBからの声もほとんど聞かれなくなったが、「メジャーでは二刀流は許されない」とも言われている。メジャー関係者は今の大谷をどう見ているのだろうか。

「バッターとしても、メジャーで十分活躍できます。というか、彼のバッティングを使わない手はない、と思います。少なくとも代打はある」

 ヒューストン・アストロズの大慈彌功環太平洋担当スカウト部長は、こう評する。

 メジャー側が例外的な起用まで想定し始めたほど、大谷は進化しつつある。