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三重背水の陣は岡田代表続投の深謀遠慮だった!?

source : 週刊文春 2016年7月14日号

genre : ニュース, 政治

三重で勝てば留任?

 民進党の岡田克也代表(62)が参院選のさなか、唐突に「進退」を持ち出した。

「(地元で)落とすようなら、次の代表選に出ない」

 岡田氏は6月26日、地元・三重県内の街頭演説でこう述べた。参院三重県選挙区では、民進党現職の芝博一氏と、自民党新人の山本佐知子氏が激しく競り合っている。

 三重は、民主党の牙城だったが、2013年の参院選で自民党に議席を奪われた。岡田氏としては陣営を引き締める狙いがあったようだ。

 だが、進退発言の評判は、党内でもすこぶる悪い。「地元でピンチだと宣伝して何のプラスになるのか。敗北を前提とした発言で理解に苦しむ」(民進党中堅議員)といった冷ややかな声が目立つ。

 中には、「参院選後も岡田体制が続けば党が瓦解する。代表を退いてもらうためにも、三重で負けてほしい」(民進党関係者)との本音も聞こえてくる。

 一方、この発言を奇貨として、攻撃するのが自民党だ。小泉進次郎農林部会長は各地の遊説で、こう攻撃した。

「全国の選挙区で野党が勝っても三重で負けたら代表を辞める。全国の選挙区で負けても三重で勝ったら代表に残る。そんな理屈が通用するのか」

 岡田氏の首を取るべく、与党は安倍晋三首相や公明党の山口那津男代表をはじめ続々と幹部を送り込む“頂上作戦”を展開中だ。

「さらに過去3回の国政選挙で、中立を保っていた鈴木英敬知事にも“圧力”をかけて、山本氏の決起集会に登壇させた」(前出・民進党関係者)

 これまで、岡田氏は勝敗ラインについて明言を避けてきたが、憲法改正の発議に必要な参院の3分の2以上の議席を与党や改憲勢力に取らせないと主張。「3分の2阻止」が事実上の勝敗ラインになっていた。

 だが、小沢一郎・生活の党代表が、「野党が過半数取る。そのぐらいの勢いでなければ、選挙なんか勝てるわけがない」と街頭演説で吠えたように、目標の低さには批判が高まっていた。そんな最中に飛び出した“進退発言”を別の民進党関係者はこう読む。

「報道各社の情勢調査では、自民党の調査では芝氏、民進党では山本氏が優位で、結果はねじれている。ただ、岡田氏は勝てると見込んだ上で発言しており、代表続投に向けた布石ではないか」

 三重背水の陣は、焦りか、深謀遠慮か。勝敗は7月10日に決する。