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総裁選の影のキーマン 小野寺防衛相の“防衛力”がすごい

防衛大臣は2度目 ©共同通信社

 風雲急を告げる安倍内閣で、防衛力では閣内随一と言われる大臣がいる。岸田派所属の小野寺五典防衛相(57)だ。何しろ、ニュースになったのは、所管の防衛安保を除けば、「線香」と「散歩」ぐらい。

「線香」とは、茂木敏充経済再生担当相が、野党の標的になった線香配布問題で“先例”として登場したのが、小野寺氏だった。1999年、まだ当選1回だった小野寺氏は自ら線香を配布し、公職選挙法違反の容疑で書類送検され、翌年議員辞職した。

「散歩」は2月中旬、ジョギングしている最中に、散歩中の安倍晋三首相に遭遇したことが小さく報じられたのだ。

 小野寺氏は、宮城県気仙沼市に生まれ、東京水産大から宮城県庁を経て、松下政経塾に入った。同期には立憲民主党幹事長の福山哲郎氏がいる。地元県議に婿入り、1997年の衆院補選で初当選。線香配布問題で議員辞職したが、2003年に復活すると、以来選挙では無類の強さを誇る。

「2度目の防衛大臣だが、省内での評判の良さは歴代でもトップクラス。何しろ稲田朋美氏の後ですから(笑)。ゲタを履いているとはいえ、答弁は低姿勢で、すべての基地をまわるなど、地道なところが評価されています」(防衛省関係者)

 地味な小野寺氏だが、総裁選の「影のキーマン」になりかねない。というのは、出馬を模索する岸田文雄政調会長の唯一無二の側近なのだ。

 2月下旬、小野寺氏が開いたパーティーに国会議員としてただ1人、参加した岸田氏は「大きな安定感と大きな存在感を感じる」と最大限の賛辞を送った。「『岸田首相』が実現すれば『小野寺官房長官』だろう」(岸田派関係者)といわれる関係だ。

 岸田氏が総裁選に出馬すれば、安倍首相の「無風3選」とは簡単にいかなくなる。岸田派は最近、他派閥との会合を積極的に仕掛けている。それだけに岸田氏の最側近、小野寺氏の動向に注目が集まっているのだ。

 小野寺氏は自らのパーティーで「今年は大切な年なので、岸田会長をしっかりと支えていきたい」と総裁選を意識した発言を繰り出した。

「小野寺氏は岸田氏の3歳下。自身もかつては総裁選出馬に動いたこともあり、首相への野心を秘めている。そのためにも、先輩の岸田氏には早く総裁選に出馬してもらいたいのでしょう」(岸田派議員)

 専守防衛ばかりではない?