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NHKドラマの影の主役「ナレーター」の好評不評を分けるもの

「わろてんか」を支える小野アナ ©共同通信社

 好調が続く「大河」「朝ドラ」のNHK2大ドラマだが、物語を陰で支えるナレーターも見逃せない存在だ。

「大河の『西郷(せご)どん』は『翔ぶが如く』(90年)で西郷隆盛を演じた大物・西田敏行(70)をナレーターに据えていますが、ベテランらしい味がいいスパイスに。朝ドラは、前作『ひよっこ』でマラソン解説者の増田明美(54)を起用するという奇策に出たが、『朝ドラは変なオジサンがよく出てきます』などと得意の“要らない情報”を入れ、意外と好評。『わろてんか』では一転、ベテラン小野文惠アナ(49)。“地味過ぎる”と不安視する声もありましたが、ユーモアある語り口はさすがの安定感」(放送記者)

 ナレーター人選の妙はNHKの“お家芸”。時代背景や舞台の設定を分かりやすく伝えることが一番の目的だが、演者の1人として登場人物の感情を表現し、盛り上げる役も担うのがNHK流だという。

「昨年の大河『おんな城主 直虎』の中村梅雀(62)のように、歌舞伎役者は台詞にメリハリがあるので最適。香川照之(52)も『龍馬伝』(10年)では演者とナレーターの二刀流を務めた。女性が主人公の大河では女優の起用も多く、『八重の桜』(13年)では大ベテランの草笛光子(84)を起用しています」(同前)

 もちろん、いい評価のときばかりではない。

「『軍師官兵衛』(14年大河)では藤村志保(79)が務めたが『聞き取り難い』との指摘が。それが原因かは定かでないが、骨折を理由に6回で降板、元局アナに代わった。15年の朝ドラ『まれ』の戸田恵子(60)はアンパンマンの声のイメージが強いのか、思いのほか不評。一方、『真田丸』(16年大河)では武将の最期を有働由美子アナ(48)のナレーションだけで処理する手法を多用し、『ナレ死』という言葉まで生まれたほど話題を呼んだ」(芸能デスク)

 民放にはナレーション入りのドラマがNHKほど多くないが、それでも高視聴率ドラマには名ナレーションあり。

「テレ朝『ドクターX』の、『叩き上げのスキルだけが彼女の武器だ』の名台詞は田口トモロヲ(60)が担当。TBS『陸王』では元フジの実力派・八木亜希子(52)が務め物語を引き締めた」(同前)

 高視聴率のカギはナレーターが握っているのかも?