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連載池上さんに聞いてみた。

池上 彰
2018/03/12

池上さん、アメリカで「教員の銃携帯」は受け入れられるの?

池上さんに聞いてみた。

Q 教員の銃携帯、私はどうしても受け入れられません。

 高校の教員です。2月にアメリカ・フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件に居合わせた生徒や犠牲者家族との会合で、トランプ大統領は教諭に銃を携帯させるべきだとの考えを表明しました。「銃の携帯」にはとても違和感があります。アメリカでは受け入れられる考え方なのでしょうか?(30代・女性・公務員)

A トランプ大統領は、有力支持団体であるNRAの主張をオウム返しにしているだけなのです。

 銃規制に熱心だったオバマ政権時代、銃が大量に売れました。「銃を自由に買えなくなる前に買っておこう」という動きが高まったのです。アメリカ・テキサス州の銃砲店を取材したら、店頭に「オバマは銃のセールスマン」と書かれた皮肉なポスターが掲示してありました。

 ところが、トランプ政権になった途端、銃の売れ行きが鈍くなりました。「銃規制は実施されないから、急いで銃を買う必要はない」と思った人が多かったからです。

 銃の売り上げが落ちた結果、今年2月には歴史ある銃器メーカーのレミントン社が、日本でいう民事再生法にあたる破産法を申請するというニュースがあったほどです。

 実に皮肉なことですが、これがアメリカの現実です。

ホワイトハウスで銃乱射事件の関係者と話すトランプ大統領 ©getty

 アメリカで「銃を持つ権利」を主張している利益団体としてNRA(全米ライフル協会)があります。ここは、学校内で銃の乱射事件が起きると、「教師が銃を持っていれば、犯人に応戦でき、被害を小さくすることができたはずだ」と主張してきました。選挙でNRAの応援を受けてきたトランプ大統領は、NRAの主張をオウム返しにしているだけなのです。

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