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マリンに個性的なフードメニューを 元ロッテ投手の新たな挑戦

文春野球コラム オープン戦2018

2018/03/15

 初仕事は井口資仁監督へのプレゼンだった。若者は緊張した面持ちで立ち尽くしていた。試合前練習を終えた指揮官が食堂に入ってきた。席に座ると、昨年現役を引退し、今年1月からマリーンズの飲食担当として働く黒沢翔太さんは挨拶をした。「おお、クロ(黒沢)」と笑顔で応えてくれた。

 まず提案したメニューは豚骨ラーメン。春季キャンプ中に事前にお願いしていたアンケートで「細麺の豚骨ラーメンしか食べない」という事前情報を収集していた。だから、それにこだわったメニューを提案した。「いいね。美味しいよ。選手食堂にも出して欲しいぐらい」。そう言ってスープまで飲み干した。「井口監督のザ・豚骨ラーメン」が完成した瞬間。今シーズン開幕戦からZOZOマリンスタジアム内で販売となる。

井口監督は「いろいろなものにワサビをつける」

 もう1点は異色の一品。その名も「強炭酸ワサビハイボール」。監督がハイボール好きということで練り出された、こん身の一品だ。

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「監督のアンケートに『いろいろなものにワサビをつける』と書いてありました。それを見て、ああ、これだと思いましたね。白い山ワサビを入れたハイボールが話題になっているとも聞いていたので、それが一つに繋がりました」と黒沢翔太さんは自信満々に説明をした。

 最初は「ハイボールにワサビ?」と少し怪訝な表情をしていた指揮官も若者の熱意と説明に押され納得。試合前だけにアルコールを試飲することは出来なかったが、ジンジャーエールバージョンで味わいを確かめ、笑顔でOKサインを出した。これにて「井口監督の強炭酸ワサビハイボール」というちょっと風変わりなドリンクが誕生。こちらも今シーズン開幕戦から登場となる。

開幕戦から登場する「井口監督のザ・豚骨ラーメン」と「井口監督の強炭酸ワサビハイボール」 ©梶原紀章

「現役時代はそんなに接点はないですけど、球場とかでは声をよくかけてもらっていました。今日は緊張しましたね」

 プレゼンを終え、開幕戦からデビューとなる井口監督の新メニューは無事にレールに乗った。撮影も終えると充実した表情を浮かべた。

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