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連載すごいアート

林 綾野
2018/03/16

無類の猫好き画家・猪熊弦一郎が描く猫、猫、猫――すごいアート

 明治35年、香川に生まれた猪熊弦一郎は、東京美術学校(現・東京藝術大学)に進み画家となった。フランスに渡りマティスに学び、ニューヨークにアトリエを構えるなど、国際的に活動した彼の作風は幅広い。赤い色面が印象的な三越の包装紙も猪熊のデザインによるものだ。

 独自の世界を切り開いた芸術家として知られる彼だが、無類の猫好きとしても有名だった。「いちどに1ダースの猫を飼っていた」という猪熊は、油絵や素描画に頻繁に愛する猫の姿を描いている。

 今回の「猫たち」展には、そんな彼の猫作品が大集結する。室内に静かに佇む猫、激しく威嚇し合う猫たち、愛らしく写実的に、時にユニークにデフォルメされた猫たちの絵が百点以上も並ぶ。

「猫」というひとつのテーマだけでも実に巧みに多種多様に描き出す猪熊。その表現力の豊かさを痛感する展覧会でもある。

INFORMATION

『猪熊弦一郎展 猫たち』
3月20日〜4月18日 Bunkamura ザ・ミュージアム 03-3477-9252
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_inokuma/