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「父から言われないと……」練習嫌いの大坂なおみが大躍進を遂げたワケ

ハレプ戦ではガッツポーズも

 女子テニスの大坂なおみ選手(20・世界ランキング44位)の成長が著しい。

 4大大会に次ぐ格の大会とされるBNPパリバ・オープンでは、元世界ランキング1位のシャラポワ(現41位)、やはり元1位のプリスコバ(現5位)を破り、準決勝では、現1位のハレプをストレートで下す金星。決勝では若いカサキナ(現19位)を圧倒しツアー初優勝。これまでに現役の世界1位経験者10人のうち5人を撃破した実力は本物だ。

 ハイチ系アメリカ人の父と日本人の母の間に大阪で生まれた彼女は、姉のまり(現プロテニス選手)に影響されて3歳からテニスを始め、間もなくアメリカに移住。13年にプロに転向すると、16年の全豪オープンで3回戦まで勝ち進み、注目を集めた。

「180センチの長身から繰り出される200キロ超の高速サーブが武器ですが、実はそれは1試合に数本。むしろ多彩なショットが打ててラリーが巧い選手。ただこれまでは試合でその巧さを発揮できなかったが、今大会では、冷静にラリーに対応していた。4大大会制覇も現実的になってきました」(テニスライター)

 躍進の背景には、今季からコーチになったサーシャ・バイン氏の存在があるという。彼はセリーナ・ウィリアムズの元ヒッティング・パートナー(練習相手)だった。

「少し前までコーチ役は父のフランソワ氏が務めていたが、大坂は『お父さんから言われないとしない』と語るほど練習嫌いだった。その点、サーシャ氏は、選手を乗せて練習させるのが上手く、パワーヒッターの相手をするのも慣れている。大坂はこのオフに7キロ絞ったと言われてますが、サーシャが上手く乗せてトレーニングさせたんでしょう」(同前)

 インタビューなどには英語で対応し、日本語については、「聞くことはできるが喋るのは苦手」(同前)。好物のうな重は、彼女に言わせると「イール(eel)。ボックスに入ってるやつ」という具合だ。それでも日本語のメッセージを求めた報道陣には「朝ごはん、ちゃんと食べてね」と愛嬌を忘れない。

「心は日本人に近い。夢は東京五輪出場。男子は錦織選手、女子は私が引っ張っていけたらいい」と語る大坂。

 ニューヒロイン誕生だ。

(ランキングはすべて3月18日現在)