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打率8割! 赤ヘルの切込隊長
武器は負けん気と“愛妻料理”

source : 週刊文春 2016年10月27日号

genre : エンタメ, スポーツ

MVPに選ばれ笑顔をみせる田中
Photo:Kyodo

「自分でも怖いくらい出来過ぎだった」

 10月15日、DeNAを下して25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた広島。その原動力となったのは、一番を任された田中広輔(27)だ。

 CSの4試合で12打数10安打54球で打率8割3分3厘、出塁率8割8分2厘という「神ってる」大活躍で文句なしのMVPに選ばれた。

「『シーズン中は自分の成績にこだわっちゃうけど、短期決戦はそれがない。自分に合ってる』と話してましたが、とにかく塁に出ることをシンプルに追求したのがハマりましたね」(広島番記者)

 東海大相模から東海大学、JR東日本を経て、13年ドラフト3位で入団。高校・大学時代の7年間、現巨人の菅野智之投手と同級生でチームメイトだった。

「入団時から『学生時代にアイツを打ったことがあるんです』と菅野のことをやたら意識してましたね。実際、対戦成績もよく、シーズン中もチームメイトに菅野の投球傾向をアドバイスして、攻略に貢献してます。遊撃手で一番を打つんですから“野球センスの塊”なのは当然ですが、その負けん気の強さが最大の武器ですね」(同前)

 スポーツ紙デスクは、ルーキーイヤーの田中が守備時に顔面に打球を受けたときのことが忘れられないという。

「病院で縫合手術を受けたんですが、当時の野村謙二郎監督が心配して電話したら『明日、大丈夫です』と言って、ホントにグラウンドに立っていた。淡々として見えますが、ガッツがあるんです」

 一方で、「トボけているというか、天然でしょ」(ベテラン記者)という声も。

「マジックナンバーの理屈を理解してなかったらしいんですよ。リーグの優勝争いの渦中で、巨人が負けてもマジックナンバーが減ることを知らなかったらしく、何で減るのかと周囲に不思議そうに質問していたとか(笑)」(同前)

 愛妻家としても知られる。

「今の奥さんとは入団前から結婚していて、『嫁さんを養うんだ』と、社会人出身ながら高校出の若い選手と居残り練習をガンガンやって、夜遊びもしなかった。『夜の街より、嫁の手料理で酒飲むのが一番楽しい』と言ってましたね」(前出・番記者)

 日本シリーズでも愛妻の手料理と美酒に酔えるか。

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