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好きな言葉は「ジカンノムダ」 阪神・メッセンジャーが日本に順応した理由

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/03/30
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驚異的なスピード復帰の裏にあった努力

好きな言葉は「ジカンノムダ」 ©文藝春秋

 去年8月10日、くしくも今シーズンの開幕カードと同じ巨人戦。7回、巨人阿部のライナーが右足首付近を直撃、診断は腓骨骨折。シーズンは絶望だと思われました。

「カープとは当時ゲーム差は8.5。自分が離れなければ優勝できたね。チームはエースを失ったから」

 それでもなんとかチームを盛り上げたい、チームに何かをもたらしたいと腓骨が良くなる方法を自分でインターネットで調べたそうです。

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 相棒はかぼちゃの種。「骨を早く治すために牛乳をたくさん飲んだよ。あと、かぼちゃの種がいいと聞いていつも食べていたよ」いいと聞いたことは何でも取り入れました。逆に骨に悪いと聞けば一切排除。大好きなコーヒーも骨に良くないと聞き、飲まないようにしていたといいます。

 高い意識で驚異的なスピード復帰をした虎のエースは、2ヶ月後、シーズン最終戦となった中日戦のマウンドに立っていました。7者連続三振を奪うなど4回無失点。圧巻の復帰登板でした。

 来日9年目のシーズン。「野球に関する用語は漢字もカタカナも読めるようになったよ」。そう笑うメッセンジャーが、今年こそ阪神に優勝をもたらしてくれるはずです。それが日本の心を重んじる助っ人としての最後の大仕事。

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