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西武史上もっとも強烈な開幕戦は1994年の近鉄戦だった

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/03/30
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打線が若干不安だが……今季の展望は

 さて今季の展望だが、辻発彦監督がキャンプ前とオープン戦前に語ったのが「投手陣の整備が一番」。これに関しては、オープン戦が終わり予想以上の成果が表れたものの、得意の打線がいまひとつの状態なのだ。打線は相手投手次第なので読みは難しいところだが、オープン戦の数字を見る限り若干の不安が残るのも事実。

 しかし、重量打線が不発でも得意の足を絡めた展開で、小刻みの得点も魅力がある。投手陣の心理として「多少失点しても打線が何とかしてくれる」より「今は打線が心配なので、我慢して点を与えないようにしよう」が働けば、勝利の数も増やして行けるだろう。いわゆる「投打の歯車」がガッチリかみ合っていればチームの状態としては理想的なのだ。

 注目の4番は、オープン戦当初から山川穂高が座っていた。これは中村剛也とエルネスト・メヒアの刺激策と思っていたが、ここに来て辻監督は「公式戦に入っても4番は山川」と明言している。昨季終盤の数字が物語るように打順でのプレッシャーは感じないタイプなので、適任なのは理解できるが中村、メヒアの胸の内はどうだろう。この2人の性格から4番でなくともクサることはない、との辻監督の判断からか。

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ちょっと自信がなさそうな山川穂高 ©中川充四郎

 1番に座る秋山翔吾が充実している。以前から選球眼は良かったが、今年のオープン戦を見ているとそれがさらに磨きがかかったようだ。打ちたい気持ちは十分にあるだろうけど、四球を選んで塁に出るチーム意識が完全に根付いている。普通に打てば3割以上は計算できる上に、出塁率を上げることでクリーンアップに回せば得点力も増加する。秋山に対しての個人的な要望として盗塁数を増やしてもらいたい、は欲張りか。もともと脚力はあるので、スタートの勇気を持って相手投手にプレッシャーを与えることが望ましいのだが。

盗塁数を増やして欲しい秋山翔吾 ©中川充四郎

 投手では、当たり前だが菊池雄星の数字に注目したい。勝ち星もそうだが、負け数を減らし個人の貯金を12個以上は期待できる力を持っている。それと、今季は大きな記録を達成しそうな気がする。完全試合とは言わないが、ノーヒット・ノーランとか……。

 やっぱり、欲張りか。

個人貯金は最低でも12個 菊池雄星 ©中川充四郎

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