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楽天・茂木栄五郎「相手の寝起きを襲わないとボクに勝ち目はない」

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/04
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 サクラ咲くハッピーな季節、プロ野球はセ・パともに開幕を迎えた。5年ぶりのリーグ優勝、日本一を目指す楽天イーグルスは千葉ロッテとの開幕戦。5時間3分もの延長戦の末、見事初陣を白星で飾る。プレイボールの声がかかり、相手チームエース・涌井投手の初球を仕留め、攻撃の口火を切ったのは、茂木選手だった。

2018年開幕戦、初回にレフトへの安打を放った茂木選手 ©Rakuten Eagles

 今年の楽天イーグルス、キーマンとなる選手を挙げると本当にきりがないのだが、その中でも、確実に優勝へのキーマンとなるのは茂木栄五郎選手だろう。早稲田大学出身、プロ3年目の好青年は、名実ともにパ・リーグの顔になりつつある。

 昨シーズンの活躍の中で、最も印象に残っているのが8月9日(野球の日)。シーズン通算3本目となる初回先頭打者初球本塁打を放ち、自身がリスペクトする松井稼頭央選手が持つシーズンタイ記録に並んだ。本当に素晴らしい記録である。

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 その日の試合後、どのような気持ちで打席に入ったのか話を聞かせてもらった。

「これは毎打席なんですけど、甘い球に狙いを絞ってタイミングを合わせて振り抜くというのが自分の長所だと思ってます。相手の寝起き(立ち上がり)を襲わないとボクには勝ち目ないんで」と謙虚に答えてくれたが、ピッチャーにとっては渾身のファーストボールをスタンドにもっていかれたら、そりゃぁ、たまったもんじゃない。

 しかし昨年はケガもあり、茂木選手はシーズンオフの11月2日に右肘のクリーニング手術を受けた。その後、長いリハビリ期間を経て毎日コツコツと積み上げた練習の成果が5か月後の現在という事になる。

地道なリハビリ生活を経ての実戦復帰

 キャンプ中、2軍のメイン球場・仲里球場には室内でバットを黙々と振る茂木選手の姿があった。「最近はリハビリを含めて地道な練習の積み重ねです。今は焦らずしっかり基礎を固めています」と冷静な面持ちで話してくれたとおり、1球1球確かめる様に地道にスローイングを繰り返す。

 そこから約1ヶ月後、実戦復帰という嬉しいニュースが入ってきた。楽天生命パーク宮城で行われる仙台大学との練習試合。これは何が何でも見なきゃいけない。コールされた「1番ショート茂木」に感動を覚えている暇もなく、茂木選手が守備につく1回表、早速ショート方向にボールが飛んできた。が、軽やかな足取りで難なく捌く。そして、その直後の攻撃では、先頭打者としてセンター前ヒットを放ったのだ! 順調な回復を結果で見せてくれた事と、本当に野球が好きで好きでたまらないんだろうなというイキイキとした表情をショートのポジションで見せてくれた事が、僕にとっては心底嬉しかった!

 その試合後のインタビューである。

河内「術後初めての実戦、いかがでしたか?」

茂木選手「不安な気持ちはあったんですが、スタメンで1番ショートで出場できたのは自分の中ではかなりの収穫でした」

河内「開幕まで2週間、そこまで取り組んでいく事は?」

茂木選手「リハビリ期間中は試合に出れないもどかしさ、全体練習に出れない悔しさがありましたが、そこを我慢してやり抜いたので、ホッとしています。何とか試合勘を取り戻してキレのある動きを出せるように調整したいです!」

河内「リハビリがあったからこそ得たものはありましたか?」

茂木選手「真喜志コーチにもずっとノックを打ってもらいましたし、村林や藤田さん、嶋さんも一緒にノックを受けてくださって勉強になる事もホント沢山あって。それを今後に生かして試合に繋げていけたらと思っています」

河内「リフレッシュする時間はありましたか?」

茂木選手「休みの日とかは自分の部屋でテレビを見たり、湯船に浸かってリラックスして体を休めることに徹していました」

河内「ちなみにどんな番組を見てたんですか?」

茂木選手「うーん、バラエティは好きですね。あとは音楽番組も好きで見てます! 映画も好きで、最近見たのは『麒麟の翼』です。先の展開が読めないストーリーがサイコ―に楽しかったです(笑)。でも目が疲れないように気をつけています」

河内「開幕後の自分へメッセージを送るなら?」

茂木選手「結果が思うように出なかったり落ち込んだとしても、何とか元気出して前を向いてポジティブにプレーしていてほしいです」

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