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「真の西武の4番」へ 山川穂高は中村剛也を超えられるか

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/18
note

自らが追求する4番像

「やはり、4番は他の打順とは全然違います。自分も意識しますし、相手もする。試合中、いろいろやっちゃダメなことはあると思うのですが、やっぱり相手投手からしたら、4番にだけはホームランを打たせてはいけないと思うんですよね。4番が打つと、それだけで主導権が渡る。それだけ大事なポジション。だからこそ、4番は打たなければいけないんです。もちろん、それがプレッシャーにもなります。

 ただ、そのプレッシャーを意識しないで打ったところで何の意味もないと思っています。意識しないで気楽に打った1本より、めちゃくちゃ意識しまくって、プレッシャーを全部背負った中で出した1本の方が価値があるじゃないですか。そういうのを背負って、極限までプレッシャーをかけて、『絶対に打たなければいけない』という気持ちの中でホームランを打つ。ヒットを打つ確率を上げる。それの繰り返しが4番だと思いますね。僕は小学校から、大学、2軍戦でも、その気持ちだけは強く持ってやってきました」

プレッシャーの中で結果を残し続けるのが4番 ©文藝春秋

「失敗し続けてきた」という4年間

「4番は絶対に打たなければいけない」

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 その計り知れないプレッシャーを、これからは、プロの一軍という超一流の舞台で背負いながら戦っていくことになる。その中で、開幕から14試合すべてで4番に座り、打率.360はリーグ2位、打点15、本塁打5は、いずれもリーグトップを誇る(4月16日現在)。

 だが、ここで慢心できるほど甘い世界でないことは、「失敗し続けてきた」という過去4年間で十分すぎるほど思い知ってきた。さらに、『中村剛也』という、超えなければならない憧れの存在も、あまりにも大きい。本塁打王6回、打点王3回、シーズン最多本塁打48本。2009年から約9年間、不動の4番に座り続けた日本球界屈指のホームラン打者だ。

「僕がどんな時もきちんと4番に座れるようになって、何年も続けて30〜40本ホームランを打てるようになった時、初めて本当の意味で挑戦できる立場に立てるんだと思います」

 真の『西武の4番』となるべく、確かな第一歩を踏み出した。「全打席、全球フルスウィング」をモットーに、ここからどんな4番像を自らに追求し、結果で、ホームランでファンを楽しませてくれるか。どんな点差の開いたビハインドゲームでも、全力でホームラン、勝利を狙う男だ。最後の1打席まで、お見逃しなく。

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