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「ももクロ大好き」ソフトバンク・石川柊太の武器はテンポとリズム

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/17
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マウンドでは常に己との戦い

 ところで、考え方や投球スタイルも自分らしさを持っている石川投手ですが、周りにどう言われようが、マウンドでは常に“自分に勝つこと”を第一にしています。

 投手は、「打者に向かっていく姿勢」が大事とされます。うまくいかなかったときには、「打者と勝負できていない」とか「気持ちで負けている」と指摘されていますよね。しかし、石川投手の場合は、打者を抑えにいくという考え方ではなく、己との戦いなのです。戦うべき相手はマウンド上の自分自身。だからもちろん、好投していた相手投手の投球に刺激を受けたりすることもなく、「見てないです」。良い意味でマイペースを貫くことが、高い集中力やスタミナの維持に繋がっているのかもしれません。

 プロ野球では、先発投手に登板当日試合前の報道陣による取材は暗黙の了解でNGとされていて、先発投手は“話しかけないでくれオーラ”(悪い意味ではない)をまとい、各々集中しています。しかし、石川投手の場合は、いつも通りの“にたにた顔”で登場。取り繕うこともなく、マイペース。投球テンポとは対照的な穏やかさ。そのメリハリあるリズムが、もしかしたら、好投に良い作用をもたらしているのかもしれませんね。

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 工藤監督に「本当によく投げてくれた。テンポも良かったし、出来すぎなくらい」と絶賛され、次回も先発、と明言された鷹のマイペースな何でも屋さん! 突き抜けた趣味と突き抜けた心で、今年も日本一の立役者になって下さい。

【動画】4月12日、先発で今季2勝目をあげた石川柊太投手

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