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堂林翔太と、広島カープの「マイ王子」たちに愛をこめて

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/26
note

「内乱で国を追われた流浪の王子」という妄想

「雰囲気王子」

 雰囲気王子とは何かというと「なんか王子っぽい」という雰囲気をまとっているふわっとした定義の王子です。カープで言えば庄司隼人選手です。ご存知イケメンで文句なく美男子ですが、そこはかとなく漂うのは逆境感。力を付けてきた庄司選手は3年連続で開幕一軍枠に入りましたが、シーズンの始めはローテ投手がまだ登録されておらず、その空いた枠にギリギリ入っている感じです。今年も試合数の消化とともに抹消されてしまいました。

 私の妄想では庄司選手は内乱で国を追われた流浪の王子です。様々な逆境、刺客やスライムやドラゴンと戦って実力を蓄え、いずれは凱旋帰国する予定です。今はまだ映画やゲームで言うとピンチのシーンなんですね。そう思うと庄司選手にはマントや甲冑が似合うように思えてきたでしょう? 庄司のバットが伝説の剣に変わる日もたぶん遠くありません。

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昨季プロ初安打を放った庄司隼人は再び一軍昇格なるか ©文藝春秋

 いかがですか、マイ王子。こんな妄想を巡らすこともプロ野球ファンの醍醐味、楽しみ方のひとつだと思います。そして忘れてはいけないのは、王子はやがて王になる可能性を持っていると言うこと。カープの王子たちが球界で王者に成長する、そんな夢のある物語をこれからも緩やかに見守っていきたいです。

 最後にこの記事を執筆中、衣笠祥雄さんの訃報を知りました。私は衣笠さんの現役時代を見ることが出来た幸運な世代です。雨の日も風の日も骨を折っていても常にフルスイングを続けた衣笠選手にはプロ野球の夢とロマンが充満していました。衣笠さんに心からの感謝を捧げます。

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