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ドジな私がヤフオクドームの始球式で100キロに挑戦したワケ

文春野球コラム ペナントレース2018 テーマ「挑戦」

2018/04/29

 4月25日、ヤフオクドームで『どんたく博多デー2018』と題して行われたホークス対ライオンズの一戦。その試合前のセレモニアルピッチで、球速100キロの投球に挑戦するという“上杉あずさ100キロチャレンジ”をさせて頂きました。

 初めて硬式球を握ってから約1年半。夢のヤフオクドームのマウンドに上がるチャンスを頂いたのです。勝負は1球。マウンドからの景色は、この世とは思えぬ不思議な美しさが広がっていました。感動、高揚、緊張……様々な気持ちが溢れてきました。ドキドキを少し鎮めて、笑顔で投げようと一息。そして、練習から大事にしてきた「力を抜くこと」、「左打者の内角低め」を意識して、

「よしっ!」

 覚悟して、振りかぶって、

 

「よいしょ!!!」

 

 気が付けば、「力を込めて」、「左打者の外角高め」に思いっきり投げ込んでしまっていました(泣)。

ビジョンに映った球速表示は、“97km”。

 

1軍初登板、結果を残すことは出来ませんでした。

 

『100キロプロジェクト』のきっかけ

 文春野球ではすでにデビューさせて頂いておりますが、まだまだ“はじめまして”の読者の方も多いはずなので、自己紹介させて下さい。わたくし上杉あずさは、長島三奈さんに憧れて、大好きな野球のニュースや魅力を伝える仕事がしたいと志し、メディアの世界にヘッドスライディングしました。有難くも現在は、大好きなホークスの応援番組リポーターやラジオパーソナリティなどをしています。仕事でも取材しに球場へ、休みの日には高校野球や大学野球観戦……と野球漬けの幸せな日々を過ごしています。

 野球にハマったキッカケは、弟の少年野球でした。応援に行く度に増した「私も野球がしたい」という想い。ずっと心にありながら、勇気がなくて、見る専門でここまで来ました。しかし、この仕事をさせて頂くようになり、その気持ちは大きく動きました。

 一番は、ホークスの2軍や3軍の選手たちが、一生懸命もがきながら上の舞台を目指す姿を間近に見て、胸にグッとくるものを感じてきました。

「私はこのままでいいのかな」

 そう考えるようになり、私もずっと想ってきた夢に挑戦しよう! 大好きな野球で夢の舞台を目指そう! そう決意し、1年半前に自ら掲げたのが『めざせ100キロプロジェクト』でした。

 元々、ドジで運動神経も悪くて、何の取り柄もなくて……。子供の頃、父からは『ドジラ』と呼ばれていました(笑)。そんな私でも、野球が好きな気持ちには胸を張れます。だから、“好きこそものの上手なれ”! 本気で向き合えば“夢は自ら叶えに行けるんだ”ということを人生かけて証明したい! そんな想いで、とにかく体当たりで始めた挑戦です。

 はじめは、アドバイスをもらってもその意味がわからなかったり、頭で理解できても体現できなかったりと苦戦ばかり。例えば、下半身の移動。「お尻から前に出る感じだよ」と言われても、お尻から出たらすってんころりん。それに耐えうる身体もなかったので、1から自分の身体と向き合いながら、生活のほとんどを野球に費やして過ごしてきました。『ドジラ』なりのペースですが、少しずつ成長してこられたかなと思います。

 以前、コーチが甲斐拓也捕手のことを「ウサギとカメの、カメタイプ」と表現していました。そして、「カメより遅いけど頑張ってる」と評されていたのが堀内汰門捕手でした。2人とも、育成から一生懸命ウサギを追いかけて、支配下を勝ち取りました。甲斐捕手なんて、侍ジャパンに選出されるまでに……。そんな鷹戦士たちの奮闘記から、たくさん勇気をもらいました。今回、100キロ達成は出来ませんでしたが、『ドジラ』もカメに負けじと、諦めずに夢を追い続けます!

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