昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

女警察官と暴力団組員との禁断の恋 捜査情報漏洩で停職処分

女性巡査が勤務していた新宿署 ©文藝春秋

 道ならぬ恋はいつでも世間の興味をかきたてる。王位より恋を選んだ英国のエドワード8世、家名との間に翻弄されたロミオとジュリエット――。今回暴かれたのは、暴力団組員と女警察官との禁断の恋だった。

 警視庁が3月19日、地方公務員法(守秘義務)違反で書類送検し、停職6カ月の懲戒処分としたのは、警視庁新宿署の女性巡査(23 同日、依願退職)。巡査は同署組織犯罪対策課で暴力団担当、通称マルボウとして勤務中、暴力団組員と交際し捜査情報を漏らしていたという。

 警視庁担当記者の話。

「巡査は昨年10月、業務の過程で30代の暴力団組員の男に電話で連絡しました。その後、組員に執拗に交際に誘われ、11月には男女関係に発展。一緒に旅行などにも行くようになり、交際1カ月後には暴力団同士の傷害事件で組員が捜査対象になっているかどうかの情報を漏洩しました。ただ、今年に入ってから金銭も無心されるようになり、最終的に100万円ほど貸したところで別れたそうです」

「交際が発覚したら警察官をやめなければならない(と思っていた)」と後の調査の際に話した巡査だが、組員にとってみればこれほど自慢したい話もない。暴力団関係者も「組員は新宿を拠点とするイケイケの組織出身。一時、2人は結婚まで考えていたとも聞いた」と語るほど、噂は回り始めていた。警視庁の耳に入らないわけがない。巡査は警視庁の聴取に「(捜査情報を)教えれば(交際を)黙ってくれると思った」とも供述しているという。

 警察官の情報漏洩は、決して珍しくはない。警視庁に限っても2年に1件程度、発覚している。男性刑事が情婦に捜査情報を漏らし逮捕された例もあるが、目立つのはやはり暴力団への漏洩だ。

 捜査関係者は「暴力団の情報を取るには、暴力団の懐に飛び込む必要がある。人間関係を構築した上で情報を得るのが理想だが、そんな能力も倫理観もなしに、担当外の捜査情報をエサに情報を取るバカが昔から絶えない。ただ、刑事にもようやく増えてきた女性巡査が逆ハニートラップにかかるとは」と嘆息する。

 進出めざましい女性警察官。どこかのアイドルばりに「恋愛禁止」とするわけにもいかないし……。