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家族の課題を解決する住まいのカタチと親子の距離

住宅・住宅設備特集

 住まいの悩みは、ライフステージによって異なる。

 子育て世帯は働き盛りなうえに、子どもが小さいうちは目は離せず手もかかる。やはり親の支援の受けやすさは重要だ。一方で親世代は健康や介護を意識している。近頃のシニアは「自分の介護で家族に面倒をかけたくない」という気持ちが強いが、在宅介護は家族ぐるみで取り組むことになる。まずは高齢期に元気で暮らせるよう、住環境の危険因子を減らしておくことが大前提。築30年以上経過した家の場合は、階段の傾斜や風呂釜の深さ、断熱性の低さなどに問題が多く見られる。

 育児や介護は各家庭がそれぞれに乗り越えるべきテーマだが、住まいのあり方や居住距離次第で、その対策が変わっていくことは頭に入れておきたい。

家事・育児のサポートが子育て世帯のニーズ

 現代の20代、30代は「夫婦共働き」が主流。1997年に専業主婦世帯を抜いて以降は共働き世帯の方が多くなっている。近くに母親がいれば何かと頼りにしやすいが、夫婦だけだと結果的に女性に家事や育児の負担が偏りがちになる。夫婦の家事負担の国際比較をみると、日本は特に女性の負担が重い。2人目、3人目の前に「仕事に子育て、家事の3役はしんどい」との悲鳴が上がるのも仕方がないかもしれない。

出所:「平成29年版少子化社会対策白書」(内閣府)から作成
出所:「平成29年版少子化社会対策白書」(内閣府)から作成

介護予防のために住まいを見直すべき

 寿命が長くなった現代のシニアにとって、介護予防は最重要テーマ。家の中で過ごす時間が長くなる高齢期だからこそ、食事や運動と同じくらい、住まいの安全対策にも気を配っておいたほうがいい。

 65歳以上で要介護になったきっかけは、女性なら骨折・転倒、男性なら脳卒中が目立つ。いずれも室内環境の見直しでリスクを軽減できる。つまずきを招く段差やコード類は解消を。高断熱の家は寒暖差が少なく血圧が低下する傾向にある。

出所:「国民生活基礎調査」(平成25年、厚生労働省)から作成。その他・不詳はのぞく。
出所:「国民生活基礎調査」(平成25年、厚生労働省)から作成。その他・不詳はのぞく。

最近の二世帯住宅は親が子を気遣う傾向に

 家族が助け合ううえで同居は有力な選択肢だが、お互いの生活に口出しされるのは避けたいというのも本音。最近の親世帯はそんな子世帯の気持ちをよくわかっているようだ。

 東京ガス都市生活研究所の調査では、二世帯住宅では親世帯が子どもの生活に干渉しないように配慮している実態が浮かび上がってきた。同居の摩擦を経験したり、見聞きした世代ゆえに、距離感を保つ重要性をよくわかっているのかもしれない。

出所:「都市生活レポート 二世帯住宅に住む親世帯と子世帯の交流実態と意識」(東京ガス 都市生活研究所)
出所:「都市生活レポート 二世帯住宅に住む親世帯と子世帯の交流実態と意識」(東京ガス 都市生活研究所)