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占い師・しいたけが芥川賞作家・村田沙耶香を占ったら……実践編

話題の占い師が、芥川賞作家の現在と未来を占う

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村田さんのオーラは「古代のお医者さん」

しいたけ じゃあ、しゃべりますね。

©榎本麻美/文藝春秋

村田 お願いします。

しいたけ 村田さんは、全体的なことで言えば、お医者さんタイプ。それも、宗教と医術が一緒だった時代のお医者さんみたいな人です。

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村田 へぇー。

しいたけ 症状そのものを西洋医学的に見るだけじゃなくて、行動パターンとかクセとか、過去にどこが痛くなったことがあるとか、ちょっと離れた視点からもデータを集めて仮説を使ってアプローチする、純科学者みたいな人。

「何が常識か」は知っているけれど、それは村田さんにとって「当たり前でしょ」と断じるためのものではないんですね。「じゃあその常識をちょっとずらしてみたらどうなるの?」と、科学者として挑戦するようなスタンスです。

(しいたけさんが話す鑑定結果を、村田さんがふむふむ、と15分ほど聞き続ける)

©榎本麻美/文藝春秋

獅子座には「大学生っぽさ」がある

しいたけ 村田さんの星座、獅子座の話をしますね。獅子座って代表的な星占いでは、目立ちたがり屋でリーダーシップがあって、みんなを引っ張っていくとか、いつも元気、といったことが言われますよね。失礼かもしれないんですが、村田さんからはそのイメージは出てこない(笑)。

村田 ぜんぜん出てこないです(笑)。

しいたけ でも僕の獅子座観の中には、村田さんのような人格ってあるんです。ある種、哲学的な人。獅子座は「大学生」にたとえられることがあります。

 牡羊座は生まれたての赤ちゃんのような性質をもっていて、牡牛座はもう少し大きくなって「これは好き、これは嫌い」とお気に入りを集めだす時期。双子座が中学生くらい、思春期ですね。次に来る蟹座は高校生で、獅子座は大学生。それぞれが、勉強が得意、スポーツが得意、あるいはモテる、とかの個性を身につけて、競争に巻き込まれていく時期です。

 つまり、獅子座には「私とは何か」を他者評価ではなく、自問自答して見出していく性質があるんです。

村田 へぇ、そうなんですね。

しいたけ 競争に勝つために強みをはっきりさせた獅子座や、成功のために明るく振舞う獅子座がいる一方で、村田さんは、体の横にうすーい黄色のオーラが出ているんですが、「ジャッジせずに放置」を「徹底」している獅子座なんですね。とても独特なので、僕はここを「村田スペース」と命名して、リーディングシートに書かせていただきました(笑)。

村田 (笑)

©榎本麻美/文藝春秋

しいたけ 「村田スペース」では図書館のような分類がされておらず、生物学のコーナーに哲学書があったり漫画があったり、分類できないというか、しないというか、「ここかな?」と適当に本棚に置いていっているような感じですね。でも黄色の外にオレンジの色が感じられて、本を選びだしている時期かなと思います。

 人生の大きな周期で言うと、自分がやってきたことをもっといいものにして発表していこう、という。……あの、変にプレッシャーに感じないでくださいね。

村田 はい(笑)。