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占い師・しいたけが芥川賞作家・村田沙耶香を占ったら……実践編

話題の占い師が、芥川賞作家の現在と未来を占う

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占い師が驚く「子供のままの獅子座」とは

しいたけ 実は、僕が占いの仕事をしてきた中で、村田さんのような獅子座を見るのはちょっと珍しくて。

『しいたけ占い 12星座の蜜と毒』(しいたけ 著)
『しいたけ占い 12星座の蜜と毒』(しいたけ 著)

村田 そうなんですか?

しいたけ 大人の獅子座って、何が好きか嫌いか、何がいいか悪いかを、むしろ個性としてはっきりと獲得していることが多い。でも村田さんはそれを決めずに放置している、言うなれば「子供のままの獅子座」なんです。

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 お聞きしたいんですが、村田さんはどういう服が好きとか、あるいは好きなタイプを聞かれたりしたら、どうですか?

村田 好き嫌い……そうですね、昔から洋服を選ぶときは着たい服というよりは、キリッとしたほうがいい場だからこの色と形とか、悩みのある友達に会うからやわらかいベージュのやさしい色の服でとか、状況や会う人に合わせて考えます。

 好きなタイプを聞かれたときは、小さい頃から好きだった人を言い続けています。「子供の頃からで」と。そういう場では好き勝手言うものだと思うんですが、誰が性的に魅力的かをジャッジすることもあまり得意じゃないです。

©榎本麻美/文藝春秋

しいたけ 幼少期からずっと、「好き・嫌い」とか「生理的に受け付ける・受け付けない」ということと距離をとってきたんですね。もうひとつ特殊だと感じたのは「共感」についてです。村田さんのオーラを見ても、小説を読んでも、どうも「わかります?」みたいなものがないというか。すみません、決して変な人扱いではないんですが、「共感を得たい」と思うことがあるのか、ちょっとお聞きしたくて。

村田 ちょっと違うかもしれませんが、高校を卒業する頃に「背平泳ぎ(せひらおよぎ)」というのを考えたことがあって、それをもっと広めたいと思ったことはあります。本当は「エレメンタリーバックストローク」という名前があったんですが当時は知らなくて、要するに平泳ぎを仰向けにやるんですが、けっこう早く泳げるんです。だからみんなに知ってほしいと思っていました。

 でも、生き方とかちゃんとしたことに関しては、あまり共感してほしいとか、広めたいと考えていないかもしれないです。

©榎本麻美/文藝春秋