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連載今夜も劇場へ

結城 雅秀
2018/03/30

婚期を逸した娘、息子の死……人情の機微が凝縮された短編劇

今夜も劇場へ

 日本の近現代における秀作短編戯曲一〇〇本を公演する川和(かわわ)孝の企画「名作劇場」は一九九四年に小山内薫作『息子』で始まった。それが、今回の『長女』と『木曾節お六』により94本目を迎える。取り上げる作品は一幕物であり、短い作品の中に人情の機微が凝縮している。

『長女』(一九四七年、阿木翁助作)では、妻を亡くした小学校教師(根岸光太郎)が三人姉妹を育てる。28歳になる長女(田中香子[よしこ])は母親代わりの役割を果たしているうちに、婚期を逸しつつある。他方、結婚相手の居る次女(吉澤紫月)は長女に遠慮している。そんな中で、長女が働かせる機転とは?

『木曾節お六』(一九五八年、深沢七郎作)は木曽福島が舞台。老婆のお六(鷹觜[たかのはし]喜洋子)は失恋自殺したひとり息子の遺体を前にして、現実を受け入れられない。結婚、祭り、そして、死は人生を象徴している。

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INFORMATION

オフィス樹『長女』阿木翁助作、『木曾節お六』深沢七郎作、川和孝演出
~3月31日、東京・両国 シアターX(カイ)にて
http://www.theaterx.jp/18/180327-180331t.php