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大場 真代
2018/04/28

米7年連続1位のダイエット法「新DASH食」を知っていますか?――1週間献立付

高血圧を防いでやせる「理想のミネラル食」

近年、米国で最も優秀なダイエット法と見なされている「DASH食」。もともとは高血圧予防食として知られ、血圧降下と体重減少が期待できる“一石二鳥”の食事法だ。

 アメリカのニュース配信サイト「USニューズ&ワールド・レポート」が毎年行っているダイエット法ランキングで、DASH食が7年連続で第1位に選ばれた。このランキングは、栄養士や食事コンサルタント、糖尿病や心臓病などの専門医などが、38種類のダイエット法を続けやすさや短期的・長期的な減量効果、心疾患や糖尿病に対する効果など9つの分野ごとに検討し、総合点で順位付けしたものだ。2位には地中海食、3位にはアルツハイマー病を予防するとされるMIND食が続いている。

 DASH食とはDietary Approaches to Stop Hypertensionの略。本来は高血圧を治療する食事法で、野菜や果物、低脂肪乳製品、魚介類や大豆製品、海藻を中心に摂取し、コレステロールの多い食品を減らすことが特徴だ。

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 日本高血圧学会で減塩委員会委員を務める日下医院の日下美穂院長が解説する。

「DASH食はアメリカの国立衛生研究所が1997年に発表した高血圧の食事治療法です。高血圧は遺伝と生活習慣によって起こるものですが、遺伝的要素があっても、生活習慣を整えることによって高血圧の発症や動脈硬化、脳卒中や心筋梗塞などを予防できるといわれています。アメリカでは死因の第1位が心筋梗塞などの心疾患。心疾患は高血圧が元となって引き起こされるため、こうした食事法が生まれたのです」

 1993~1997年にかけて米国立衛生研究所は、「DASH食研究」と呼ばれる、科学的根拠のレベルが高いランダム化比較試験を行った。米国人男女459人を、米国人の通常食、野菜や果物の多い食事、DASH食の3つのグループに分けて比較したところ、DASH食グループの降圧率が最も高く、高血圧の人は収縮期血圧で平均11.4mmHg低下したという。

塩分を排出する作用がある

「この研究では、DASH食と通常食に食塩量の差はありませんでした。DASH食の降圧効果が高かったのは、塩分を排出する作用があるカリウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含むためです。個々の栄養成分は単独だと降圧効果は小さいのですが、複合的に組み合わせることによって降圧効果が発揮されたのだと考えられます」(同前)

 では、なぜこの「高血圧予防食」がダイエットにつながるのか。医療統計学の専門家でDASH食に詳しい東海大学医学部の大櫛陽一名誉教授はこう解説する。

「DASH食は、もともとミネラルの積極的摂取のほかに、低脂肪、高炭水化物を推奨してきました。しかし、脂肪を控えて、炭水化物の摂取量を増やした途端に、肥満の人がさらに増え、糖尿病の発症率も増加したのです。また、多くの研究から、肥満の原因は脂肪ではなく、炭水化物に含まれる糖質だということがわかっています。そのため、2010年から適度な脂肪は摂取し、炭水化物を控える新DASH食へと変化。結果として血圧も下がり、肥満も予防できるDASH食が生まれたのです」

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