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2018/04/28

朝食を“果物だけ”にする

 もちろん、こうしたメニューでも、やみくもに大量に食べれば摂取する塩分量やカロリーが増え、血圧降下や減量も期待できなくなる。“腹八分目”を心掛けてほしい。

 減塩にミネラル摂取、低炭水化物と、一度にやるのはなかなか難しいと感じる人もいるかもしれない。伊達氏は“簡単にできるDASH食”をこう提案する。

「それは朝食を“果物だけ”にすることです。果物は、ミネラルが多く含まれておりDASH食でも積極的に摂る食材として提案しています。また、果物のいいところは、味付けをせずに食べられるので自然に減塩になること。1日3食食べている人が、朝食を果物に置き換えれば、単純計算でも食塩量が3分の2になるため、減塩になります。

 特にバナナは、一時『朝バナナダイエット』が流行しましたが、食物繊維もミネラルも多い上に、腹持ちがいいのでおすすめの果物になります」

©iStock.com

 一方で、伊達氏は「思いがけないものに塩分が入っていることがあるので気をつけてほしい」と話す。

「減塩のためにごはんをパンに替えたという人が時々いるのですが、パンには塩分が含まれています。また、甘いものにも食塩が入っていることも少なくありません。基本的に加工されて、原型をとどめていないものはコレステロールや塩分、糖分が高いので、舌で感じる味だけで塩分を判断しないようにしたいものです。

 例えばハンバーガーやウインナー、つくね、レトルト食品、カップ麺などです」

“いいこと尽くめ”に思えるDASH食だが、注意も必要だ。

「腎障害のある人は、野菜や果物などを多く摂ることで高カリウム血症になる恐れがあります。重篤な場合、不整脈で死に至ることもあるため、野菜や果物の摂取は控えてください。一方、BMI([体重(kg)]÷[身長(m)の二乗])が25以上の肥満の人や糖尿病の人は、糖分の多い果物の摂取は勧められません。その分野菜などでミネラルを補ってください」(日下院長)

 最後に、大櫛名誉教授がDASH食に取り組む際のポイントを説明する。

「『塩味が少ないと美味しくない』という先入観が多くありますが、減塩に慣れれば素材の味を楽しむことができるようになり、おかずをたくさん食べられます。また、DASH食に運動習慣を加えればさらなる減量効果も見込める。

 DASH食は高血圧に加え、肥満、ひいては糖尿病の予防にもなるため、健康寿命を大きくのばせる可能性があるのです」

 高血圧を防げる上にダイエットできる、まさに「理想の食事」なのである。

(初出『週刊文春』2017年3月30日号)

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