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西田 亮介
2018/04/15

森友学園疑惑で露呈した「正統性(legitimacy)の危機」に処方箋はあるのか

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▼〈耕論 政官不全の処方箋は〉3月17日、朝日新聞(語り手=亀井静香、小黒一正、牧原出)

朝日新聞本社 ©文藝春秋

 森友学園をめぐる疑惑で国政が大きく揺らいでいる。つい先日まで「安倍一強」が取り沙汰されていたが、政治の世界は「一寸先は闇」である。それにしても朝日新聞と野党は「些末な問題だ」とときに酷評されながら1年にわたってしつこく掘り下げてきたことが報われたかたちだが、同時にひとつの法人をめぐる問題にとどまらず、国家の根幹が揺らぐ事態が詳らかになりつつある。

 現象としての問題の所在は、公文書の偽造、隠蔽と政治からの圧力の有無といったところだが、一言でまとめるなら統治の手続きの妥当性に対する信頼が揺らぐ「正統性(legitimacy)の危機」である。省庁が答弁との整合性をあわせるために決裁された文書から政治と行政にとって都合の悪い文言を削除したりするといったことが起きうるのであれば、我々は行政機関が公開する情報を信頼することができないことになる。直近の報道が述べているように、財務省から国交省への働きかけがあったとするなら、なおさらのことである。

公文書改竄問題の渦中にある財務省 ©文藝春秋

 それにしても公的機関は大量の情報を公開しているが、当然所定の方法でオーサライズされている。それらは果たして信頼できるのだろうか……このように、あらゆる政官の手続きの妥当性が自明性を喪失してしまいかねない。

 このような事態に我々はどのように向き合うべきだろうか。この記事は政治家、財務省勤務経験者、行政学者という3つの立場の識者のオピニオンを通じて、我々に思考の補助線を提供する。

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