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2018/05/16

 また、血圧はただ高ければ危ないというものではない。一日の中でも血圧は、その時々の状況に応じて高くなったり低くなったりしている。したがって、いつ、どのような状況で測った血圧が高かったかが重要となる。駒村医師によると、高齢者はとくに、早朝の高血圧に注意してほしいという。

「年をとると、寝ている間も交感神経が緊張しやすくなるため、早朝に血圧が高くなる人が増えます。実は、心筋梗塞や脳卒中は午前中に起こることが多いのです。ですから、早朝に血圧を測ってみて高かった人は、医師に相談して治療することをお勧めします」

 早朝の血圧を知るためには、血圧計を買って家で測る必要がある。ただし、早朝であればいつ測ってもOKというわけではない。駒村医師が言う。

 

「私は患者さんに、『血圧は朝メシ前と寝る前に測れ』と指導しています。高血圧治療ガイドラインでも、朝起きて排尿後の1時間以内に、薬を飲む人はその前に測定することと書かれています。また、血圧計は二の腕に巻いて測るタイプがお勧めです。血圧は心臓から遠いほど高くなるので、手首で測る血圧計は数値が高く出やすいからです」

 最近では、有名メーカーの血圧計を数千円で手に入れることができる。家族の健康を守るためにも、一家に一台は備えておきたい。

 高齢者では夜中にトイレに起きてしまう人も多いが、これにも注意が必要だ。駒村医師によると、夜間頻尿の人も、血圧が高い可能性があるからだ。血圧が高いと腎臓で濾過される血流量が増えるため、尿もたまるという。また、夜間頻尿の人は心不全が始まっている可能性もある。心不全になるとうっ血して体液量が増えるため、それを外に排出しようとするからだ。

 夜中に3回以上もトイレに起きてしまう人は、一度、循環器内科医に診てもらったほうがいい。睡眠薬や抗不安薬などを飲んでいる人は、夜中に起きると転倒の恐れもある。自分の血圧やリスクを知って、うまく危険を回避するようにしてほしい。

(初出『週刊文春』2017年4月6日号)

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