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連載池上彰「WEB 悪魔の辞典」

池上彰氏に学ぶ「改竄の罪深さ」

かいざん【改竄】――池上彰「WEB 悪魔の辞典」

2018/04/25

 池上彰さんの新連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!

【改竄・かいざん】 

 これがばれると書き換えだったと言い換える。

【池上さんの解説】

 いったん上司の決裁を受けた公文書の内容を書き換えるのは、民主主義の根本に関わる大罪だ。保管されている公文書全体の信用問題になるからだ。

 公文書をなぜきちんと管理するのか。それは、後になって検証できるようにするためだ。政治家や官僚たちが、あのとき、どういう判断で政策を決定したのか。その判断材料になる。

 政治家にしても官僚にしても、自分たちが判断したことが、いずれ後世の人々によって検証され、場合によっては断罪されるかもしれないとなると、安易な決定はできなくなるだろう。

 公文書を保管するのは、未来への責任なのだ。

 たとえば安倍内閣のもとで内閣法制局は、「集団的自衛権は認められない」という従来の判断を覆したが、その検討過程の文書が一切残されていないことが判明している。これでは重大な政策変更のプロセスが検証できない。

佐川宣寿・前国税庁長官 ©文藝春秋

 財務省理財局が保管していた公文書の内容が改竄されていた問題では、当初、在京紙のうち読売新聞と日経新聞だけが「書き換え」と表現していた。改竄だと悪いイメージが明らかだが、書き換えでは悪質な印象が薄まる。

 ところが両紙とも、安倍首相本人が「改竄と言われてもやむを得ない」と発言した途端、改竄と表現するようになった。これでは安倍首相に忖度して、改竄なのに「書き換え」と“書き換え”ていたと揶揄されても仕方がないだろう。

池上彰「WEB悪魔の辞典」のコーナーでは、池上さんの解説を聞いてみたい新用語を募集しています!

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