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「2009年の麻生太郎」復活 いまだ枯れぬ“暴言老人”の本音

祖父・吉田茂元首相は85歳で政界引退 ©共同通信社

「暴言老人」の面目躍如だ。森友学園問題では「佐川、佐川」と佐川宣寿元理財局長を呼び捨てにする姿が顰蹙を買い、今度は自衛隊のイラク派遣時の日報問題で「10年以上前の話でどうだったかと言われると、防衛省も困る」と言い放つ麻生太郎副総理兼財務相(77)だ。

 失言では知られた麻生氏だが、最近は事実誤認も当たり前。森友問題での文書改ざんでは「森友の方がTPPより重大だと考えているのが日本の新聞のレベル。一行も載っていなかった」などと事実無根の発言も連発し、謝罪に追い込まれた。こうした振る舞いに、安倍晋三首相に近い議員も頭を抱える。

「急落した支持率の半分は麻生さんのせい。麻生さんは、『本当は大臣を辞めるのが自分の美学だが、それを曲げて、安倍の盾になるために続投しているんだ』という本音を隠し切れない。そのために、偽悪的な言動になって、失言してしまう。完全に『2009年の麻生太郎』ですよ。吉田茂元首相の孫というお坊ちゃん育ちの麻生氏は、昔から周りに注意されたことがほとんどない。そのため、事実誤認や読み間違いを周囲が忖度して、注意しないために、それが表に出てしまうのです」

 麻生氏といえば、政権を担当していた時も暴言、失言、読み違えのオンパレードの挙げ句、解散時期も読み間違えて、2009年に自民党を下野させた。一方、麻生氏周辺はこう慮(おもんぱか)る。

「『俺ももう年だ。体力がもたない』と漏らしています。元気そうにみえてももう77歳。さすがに連日の答弁は応えるんでしょう。連発する暴言も堪え性がなくなってきた面が大きい」

 ただ、自民党幹部は「辞任は絶対にない」と断言する。

「改ざん問題があってから、むしろ首相との関係は深まっている。批判するメディア、自民党議員、さらには公明党の動きに、2人して怒りを募らせています」

 この問題で麻生氏が辞任すれば、菅義偉官房長官とのパワーバランスも崩れる。麻生氏と安倍首相は「運命共同体」というわけだ。

 国会の答弁ではお疲れでも、派閥の拡大や地元での勢力維持には、なお余念がない。「目指すのはキングではなく、キングメーカー」(同前)。総裁選の帰趨を決定づけるだけの数を持とうという計算だ。暴言老人、なお枯れていない。