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連載シネマチャート

離婚協議中の両親と12歳の息子の物語 「ラブレス」を採点!――シネマチャート

〈あらすじ〉

2012年、秋。モスクワでヘアサロンを経営するジェーニャ(マルヤーナ・スピヴァク)と一流企業に勤務するボリス(アレクセイ・ロズィン)の夫婦仲は冷え切り、それぞれ別のパートナーとの新生活に向けて離婚協議中だ。自分を押し付け合う両親の口論を物陰で聞きながら、12歳になる1人息子のアレクセイは声を殺して泣いていた。学校からアレクセイが2日間欠席しているという連絡を受け、夫婦は市民ボランティアと捜索を開始するが、手がかりはつかめない。雪が降り始める頃、夫婦と捜索隊はアレクセイのクラスメイトから情報を得て、廃墟ビルの地下にある“基地”に足を踏み入れる。

〈解説〉

第70回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作。現代人にとっての愛と幸せについて問いかける人間ドラマ。脚本・監督は『裁かれるは善人のみ』のアンドレイ・ズビャギンツェフ。127分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆豊かな暮らしが至上価値となった中で「愛」の意味を問う。的確なカメラワーク、寒々とした一種の詩情。骨太な才能を感じる。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆冷え込んで硬質な映像は眼に刺さるが、「消えた子供を見つけたがっていない」親の無意識が早々に覗く。勇み足と思う。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆自分の不幸を人のせいにしたところで、得た幸せの傍らには見慣れた不幸が佇んでいる。厳しい話だが演出が心に残る。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆家族の内戦を不条理ミステリー風に。虫唾が走る人間模様だが、その醜さをありふれたエゴイズムの本性として差し出す。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆全体的に現代社会への皮肉的隠喩強し。前作のロシア文学的映像センスを期待するも坊やの眼差しと廃墟以外は的外れ。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

「ラブレス」(ロシア・仏・独・ベルギー)
新宿バルト9ほか全国公開中
脚本・監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
出演:マルヤーナ・スピヴァク、アレクセイ・ロズィン ほか
http://loveless-movie.jp/