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30代女性をスマホで監視で逮捕 その手口とは?

 ご用心、ご用心。あなたの行動は、誰かに監視されているかもしれない。

 オーウェルが「1984」で描いたディストピアでは、隣人こそが監視社会の核を担っていたが、それは今のIT社会そのもの。警視庁は9日、元交際相手の30歳代女性をスマートフォンで監視していたなどとして、ストーカー規制法違反容疑などで練馬区の会社員、宮沢健太容疑者(29)を逮捕した。

 警視庁担当記者が話す。

「女性のスマホに位置情報を送信するアプリを無断でインストールするなどした疑いが持たれています。先月に別れた後も『今、大宮にいませんか?』とメッセージを送っていた。『彼女が心配でやった』と供述していますが、80回以上も位置情報を確認。『お前を殺す』と脅迫した罪でも起訴されています」

 宮沢容疑者が悪用した位置情報送信アプリは子供や老人の護身用に開発されたが、同様のアプリにはメール監視機能も加えた、ストーカー用としか思えないものもある。削除するまで情報が筒抜けだ。

 本来、スマホのアプリは所有者本人にしか入れられない。どうやって被害者女性のスマホに仕込んだのか。

「女性のスマホは指紋認証しないとロックが解除されない仕組みでしたが、宮沢容疑者は、女性が酔って寝ている間に指をスマホにかざしロック解除していたのです」(同前)

指紋認証といえど完璧ではない

 スマホやパソコンの本人認証はパスワードが主流だが、iPhoneが指紋認証、顔認証を導入したのを機に多様化が進んでいる。だが顔認証が双子を区別できなかったり、指紋認証でロックされたベンツを強盗が所有者の指を切り落として認証するなど、意外な脆弱性が発覚している。IT専門家が指摘する。

「新たなセキュリティ機能が開発されるたび、新たな突破方法が編み出されるのがこの業界の常。指紋認証も、iPhoneでは生体反応のない指には反応しないなど改善はされている。また最近、簡単なパスワードを定期的に変えるよりは複雑なパスワードを変えずに使う方が安全、と総務省が呼びかけるなど、セキュリティの流行が先祖返りすることもある。今回の事件は、従来型のパスワードを見直す契機になるかもしれない」

 ならばいっそ金庫にしまっておくのが一番安全!?