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“地銀の優等生”スルガ銀行の転落 君臨してきた“ドン”はどうなる?

2018/04/20

 シェアハウス「かぼちゃの馬車」の破綻劇は、ついに金融庁によるスルガ銀行への緊急立ち入り検査に発展した。

「不正融資にスルガ銀行が関与していれば、業務停止命令を含む重い行政処分は避けられない」(金融庁関係者)

「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズは4月9日に倒産したばかり。物件オーナーを見つけて、シェアハウスの建築から管理運営まで請け負う「サブリース」で業容を急拡大させてきた。そのオーナーに、積極的に融資してきたのがスルガ銀行だ。

「投資家説明会を支店で開催し、オーナー向けの融資をほぼ独占するなど、スマートデイズとスルガは一心同体でした」(同前)

米山社長と岡野会長(右) ©共同通信社

 だが、融資のために提出された通帳の改竄が発覚するなど不正が次々に明るみに。

「スマートデイズが開いた説明会では、1月に解任された大地則幸元社長が、スルガ銀行の役員および大半の融資を実行した横浜東口支店長(当時)と面談していたことが明らかになりました」(同前)

 スルガ銀行は、個人取引に特化した独自のビジネスモデルで5期連続過去最高益を上げてきた地銀の優等生だ。

「地銀に厳しい金融庁の森信親長官からも高い評価を得ていた」(地銀幹部)

 その経営を主導してきたのが、創業家5代目の岡野光喜会長兼最高経営責任者だ。40歳で頭取となると、1980年代にいち早く個人特化を打ち出し、08年には敵対関係にあった郵貯と住宅ローンの提携を行うなど、他行と一線を画する経営を展開する。

「大株主には岡野家の資産管理会社が名を連ねており、いまなおドンとして君臨。2016年には鶴の一声で、米山明広氏を平の取締役から17人抜きで社長に抜擢しました」(同前)

 即断即決ぶりは有名で、

「毎月1回、東京・日本橋の東京支店で開催される取締役会で、岡野氏が“面白い”と言えばすべてが決まる」(同前)

 過去、業務改善命令に至った銀行の多くは、トップの進退問題に発展してきた。

「スルガ銀行としては、米山社長のクビを差し出し、ドン岡野会長を守りたいのが本音でしょう」(同前)

 ガバナンスの徹底を掲げてきた森長官の真価が問われている。