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“超”高齢化社会ニッポン。激動の「終活」ビジネス、いい業者の見分け方

今からはじめる我が家の終活Q&A

PRsource : 週刊文春 2018年5月3・10日号

過剰債務により事業承継できず高齢化する企業経営者を支援! 

中島成総合法律事務所 代表弁護士
中島 成 東京弁護士会所属登録番号:20873
中島成総合法律事務所 代表弁護士
中島 成 東京弁護士会所属登録番号:20873

 事業再生や企業法務を中心に扱う中島成(なかしまなる)総合法律事務所の代表弁護士・中島成氏は「中小企業では、今、経営者を深刻に悩ませる二つの問題がある」と指摘する。

 第一が高齢化する経営者の事業承継である。

 社長の平均年齢は60.8歳。年齢内訳は60歳代が 34.5%、70歳代が23.3%に達している(2015年東京商工リサーチ調べ)。

「何年後に事業承継を実行したいか」との問いには60歳代で「5年以内」が44.2%、「5年超10年以内」が40.3%と回答し、70歳代経営者は、5年以内が69.1%(うち3年以内が37.6%)と回答(2014年中小企業白書)している。

「日本企業の99%以上が中小企業であり、とくに事業の継続性や後継者の確保に不安定な中小企業では、高齢化による事業承継対応が大きな課題となっています」

 中小企業経営者を悩ます第二の問題が過剰債務である。2013年に中小企業金融円滑化法の施行期間が終了。返済条件緩和を認められた企業は40万社とみられていた。その後も金融機関が変わらずリスケジュール(返済猶予)に応じ、低金利の継続により、倒産件数は減少を続けてきた。

「本業の回復なく、利息だけ返済する状況をいつまでも継続するわけにはいきません。いずれ金融機関から『出口』を求められる中小企業が増加すると考えられます」

 今後金利が上がれば、その金利すら払うことができない企業、資金計画が困難になる企業が、多数出ることが予測される。

 そうした状況に陥った時、中小企業の経営者はどのように対処すべきだろうか?

 中島氏に「高齢化する経営者の事業承継と過剰債務の交錯」というテーマに沿って3つの事例を紹介し、解説してもらった。

Q.多額の銀行融資を受けて工場を建設して設備投資を行い、工場を抵当に入れましたが、その後、事業が低迷。銀行から他へ債権譲渡が行われ、税の滞納で工場の土地建物も差押えられました。息子が経営する会社は下請けの形で関与しているので、高齢の私は息子に事業承継したく、息子も同じ気持ちです。何か対策はありませんか?

A.もし、税に優先する抵当権者の債権額が工場の価値より遙かに大きく、税回収が見込めなければ、税の差押えを解除してもらう交渉が可能です。そのうえで、債権譲渡を受けた抵当権者の同意を得られれば、工場をご子息の会社に譲渡。その売買代金をご子息の会社から抵当権者に、長く支払い弁済していく方法が考えられます。

 ポイントは工場の価値を把握しているのが、抵当権者だけであること。工場の競売より良い回収を得られる事業計画を抵当権者に提示できれば、同意を得られる可能性があります。

Q.当社は技術力に自信があり、海外取引もしているものの、海外売上の回収は容易ではなく、主要な得意先を失うなどして資金繰りに窮し、債務超過に陥っています。経営者の私は高齢ですが、社員は何とか事業再生したいと願っています。技術力はあり、社員の意欲もあります。どんな対策が考えられますか?

A.こうしたケースのポイントは、過剰な負債から抜け出せば技術力によって営業利益が出せる見込みがあるかどうか、にあります。

 この場合なら、事業譲渡の受け入れ先を探しましょう。事業譲渡先が現れれば、事業譲渡の代金で債権者に可能な限りの弁済をしたうえ、現在の会社自体は清算するという対応ができるからです。技術力のある社員であれば、譲渡先で活躍を続けることが可能だと考えられます。

Q.私は民事再生手続を行った会社の経営者です。順調に再生計画を実行していますが、私自身、金融機関への保証債務が残っており、保証協会もその中に入っています。私は高齢で借家住まいで、もはや保証債務返済は不可能です。できれば破産ではなく、残った多額の保証債務を債権者との話し合いで処理したいと考えています。どのような対応が考えられるでしょうか?

A.保証債務の債権放棄を認めてもらうには、透明で公平な手続きが必要です。そこで、破産よりもよい回収が得られる弁済案を客観的な根拠と共に金融機関に事前に提示。賛成を得られそうな場合は、「経営者保証ガイドライン」の手続きを踏んだ調停を裁判所に申し立てます。

 結果、そこで決裂しても、裁判所を通して透明に説明したことで多数の同意が得られる見込みが立てば、債権者の意向を踏まえた経営者自身の民事再生手続を申し立て、多数決で債権放棄をしてもらうことが考えられます。債権者と協議を重ねるプロセスを試みることがポイントです。

 中小企業の高齢な経営者の事業承継と過剰債務は、今後ますます増え、社会問題化していく気配もある。破産せざるを得ないケースも今後増えていくだろう。

 中島氏は警鐘を鳴らす。

「もし高齢者が経営者で過剰債務を背負った中小企業が、何の手立てもしないまま、相続が発生してしまったら、相続人それぞれの立場、利害、考え方が対立し、事業承継は極めて困難です」

 こうした企業の事業承継のポイントは何だろうか?

 中島氏は続ける。「第一は高齢の経営者が会社をコントロールできているうちに強い意志で事業承継対策に着手すること。そして第二が事業の営業利益が出ているか、または見込みがあるかということです」

 高齢化を迎えた経営者の事業承継と当該企業の過剰債務が交錯する局面では、事業再生・事業承継を数多く手がけ、経営者の想いを汲む法律家の存在が欠かせない。「さまざまな工夫と発想をもって、事業再生・事業承継問題に誠実・果敢に取り組んでいきたい」と中島氏。とかく経営者には孤独と重圧はつきものだが、ひとりで悩まず頼れる弁護士に相談するのも一計だ。


中島成総合法律事務所

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