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「グラゼニ」声優・落合福嗣くんが明かす、父から学んだ大切なこと

「グラウンドにはゼニが落ちている」――。

 南海ホークスの名将・鶴岡一人の名言にちなみ、プロ野球の世界を「カネ」の観点から描いた人気漫画『グラゼニ』(「週刊モーニング」連載中)。4月からBSスカパーで放送されているアニメ版で、主人公の投手・凡田夏之介役を務めているのは、元プロ野球選手・落合博満氏の長男で、声優の福嗣(ふくし)クン(30)だ。

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かつては“悪ガキキャラ”だった福嗣クンも30歳に

 そもそも福嗣クンは、なぜ声優になったのか。本人が、そのきっかけを語る。

「父が中日にいた頃、家族で映画『ターミネーター』の吹替版をビデオで観たんです。当時ぼくは3歳ぐらいで、アーノルド・シュワルツェネッガーが日本語を喋っているのを聞いて『何て日本語が上手なんだ』って驚いたんです」

 疑問に思った福嗣クンが博満氏に質問をすると、「声優という仕事があるんだ。お前の好きなじゃじゃまる、ぴっころ、ぽろり(NHKで放映されていた『にこにこ、ぷん』のキャラクター)も実は、人間が声を当てているんだ。ターミネーターもそうだ」と教えてくれたのだという。

「それで“ターミネーターになりたいな!”と思ったのがきっかけなんです。そこからは初志貫徹で、歌手活動をしたり、雑誌にコラムを書いたりしていたのもすべては声優としての引き出しを作るため。大学時代には海外に遊学したりもしました」(同前)

 海外への渡航費用をめぐっては、父の「グラゼニ」の教えを知ることになる。

「実は僕、10カ月のころから家族でテレビに出るみたいな仕事をしているんですよ。そういうとき、父は『3人出るんだったらギャラも3人分支払ってくれ』と相手側に要求してくれていたそうです。そうやってぼくが知らぬ間にプールしてくれていたお金が結構な額になっていた」(同前)

 そのお金は渡航費用になったほか、2010年に一般女性と結婚した際、収入がなかった時期に、生活費を賄ったという。ちなみに、今や福嗣クンも2人の女の子の父親となっている。

 15年に念願の声優デビューを果たした福嗣クンは現在は業界最大手の青二プロダクションに所属。アニメやナレーションの仕事など着実にキャリアを重ね、ついに射止めた主役が、凡田夏之介だったのである。演じる上で、プロ野球選手としての父の姿は参考になっているのだろうか?

左が夏之介、右が福嗣クン。似てる……