文春オンライン

「鶴見系」立ち食いそば? ローカルチェーン「りっちゃん」をめぐる冒険

女将さんに聞く、白つゆの秘密

2018/05/15
note

透き通ったつゆと上品な味

 早速、「かすうどん」を注文した。うどんは生麦店で自家製麺しているそうだ。茹で時間は8分以上かかるので、昼時は小ロットを茹でて提供するスタイルである。注文後しばらくして、やや小さめのどんぶりに入って登場した。

イチオシの「かすうどん」650円、ごまのりライスと天かすがついてくる

 おぼろこんぶ、わかめ、かすなどがのって、つゆは透き通っている。つゆをまずひと口すすってみる。こんぶやかつお節の旨みが広がる。いりこは使っていない。隠し味はシイタケの旨みだそうだ。甘味は少なくあっさりしている。関東の人の舌に合わせたのだろう。返しは白醤油がベースで味醂などをうまく配合している。「りっちゃん」のつゆは上品な味だ。

 とろろこんぶも上物を使っているし、意外と食べごたえがある。自家製のうどんのコシもなかなかよい。「かすうどん」にはごまのりのかかったライスと天かすがついてくる。

ADVERTISEMENT

〆のてんちゃ風ライスがオツなのだ

 この天かすをかけるとまた味が膨らんでいく。サービストッピングの千切りの煮こんぶもうまい。うどんを食べ終わったところで、ライスをつゆに入れて「てんちゃ風」に食べるのがまたオツである。

うどんを食べ終わったら、ライスを入れて「てんちゃ風」に食べる

 かすはよく煮込んだ牛モツそのものの味で、臭みなどなくしっとりとつゆの旨みを含んでぷるんとしている。一瞬、お麩と錯覚してしまいそうな食感で、「コラーゲンぷるぷる」と幟で謳うのも納得の味だ。