文春オンライン

ノーベル賞の呼び声も! ちょっと浮かれすぎな南北首脳会談で飛び出した名言・迷言

「ノーベル賞はトランプ大統領に。われわれは平和だけもらえればいい」

2018/05/02
note

安倍晋三 首相
「(日本が蚊帳の外におかれる懸念について)それは全くない」

産経新聞 4月28日

 27日夕方、報道各社のインタビューに応えた安倍首相は、南北首脳会談について「前向きな動きと歓迎する。北朝鮮が具体的な行動をとることを強く期待している」とコメント。記者団が、日本が「蚊帳の外」におかれる懸念があるか尋ねたところ、「それは全くない」と否定してみせた。

 北朝鮮との対話による融和が進む中、「対話より圧力」を訴え続けた日本が「蚊帳の外」におかれつつあるという見方は南北首脳会談以前からなされていた。南北首脳会談後に合意された「板門店宣言」に「恒久的で堅固な平和体制構築のための南北米3者もしくは南北米中4者会談開催を積極的に推進することにした」と書かれていたことも「蚊帳の外」であることを強く印象づけた。

ADVERTISEMENT

 安倍首相は産経新聞の単独インタビューに応え、「まさに日本が国際社会をリードしてきた成果ではないですか。決して日本が蚊帳の外に置かれていることはありません」とあらためて強調。「強固な日米同盟があったからこそ、北朝鮮問題が解決に向け、動き始めた」と胸を張った。

南北首脳会談に同席した韓国の徐薫国家情報委員長と面会した安倍晋三首相 ©時事通信社

金正恩 北朝鮮・朝鮮労働党委員長
「北朝鮮はいつでも日本と対話する用意がある」

朝日新聞デジタル 4月29日

 29日午前、文在寅大統領は安倍首相と電話会談し、文氏は金正恩氏が「日本と対話する用意がある」と表明したことを伝えた。安倍首相も文氏に「日本も北朝鮮と対話する機会を準備し、必要があれば文大統領の助けを借りたい」と語ったという。

 トランプ米大統領とも28日夜に電話会談を行い、南北首脳会談について説明を受けたと語った安倍首相だが、記者団には「詳細な説明を受けたが、詳細については差し控えたい」と語るにとどまった(朝日新聞デジタル 4月29日)。

安倍晋三 首相
「詳細は現段階では申し上げられない。私から要請したことについてしっかり提案をしていただいた誠意に感謝したい」

YOMIURI ONLINE 4月29日

 日本政府が最重要視しているのが日本人拉致問題の解決だ。文在寅大統領は南北首脳会談で金正恩氏に対して、日本人拉致問題と日朝関係に関する安倍首相の考えを伝えたと説明し、安倍首相は文氏に感謝の意を示した。

 日本が安倍首相の言うとおり、北朝鮮の非核化に一役買うことができているのなら、それに越したことはない。無論、拉致問題も解決に導かねばならない。ただ、各国首脳から日本の名前が挙がらなかったり、安倍首相の「電話待ち」の局面が多かったり、どうにも「蚊帳の外」感は免れない。今後の巻き返しに期待したい。

 なお、南北の融和ムードを歓迎しない人たちもいる。作家の百田尚樹氏はツイッターで「写真に映っている人物は明らかにニセモノやね」と語った(4月27日)。そ、そうなの?

ノーベル賞の呼び声も! ちょっと浮かれすぎな南北首脳会談で飛び出した名言・迷言

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー