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視聴率99%! EUROで快進撃アイスランドの熱い夏

source : 週刊文春 2016年7月14日号

genre : エンタメ, スポーツ

イングランド戦後のアイスランドイレブン
Photo:EPA=Jiji

「W杯より面白い」とサッカーマニアを睡眠不足にさせているのが欧州選手権(EURO)。今大会は、番狂わせが頻発しているが、その主役となったのが、人口33万人の小国アイスランドだ。

 初出場ながら無敗でグループリーグを2位で突破すると、決勝トーナメント1回戦では優勝候補の一角である強豪イングランドを2対1の逆転勝利で撃破したのだ。

「イングランドは大黒柱のルーニーを筆頭にタレント揃い。大手ブックメーカーのオッズもアイスランド8.50倍、イングランド1.53倍と大差でした。しかしアイスランドは先制されながらもすぐに得意のロングスローから追いつき、その勢いのまま勝ち越した。すべての選手が体を投げ出す闘志あふれる守備を見せた“魂の勝利”でした」(スポーツライター)

 アイスランドの国内リーグは、オイルマネーが溢れ、世界中からトップ選手が集まるイングランドの「プレミアリーグ」とは、天と地ほどの差があるという。

「国内リーグはセミプロの選手が多く、別の仕事と掛け持ちしながらやっています。今回のメンバーはさすがに全員が“海外組”でプロ選手ですが、GKのハルドルソンは一昨年まで映像制作の仕事に携わっています。また、チームは2人監督制を採っていて、その1人のハルグリムソン監督は元々、歯医者さん。環境は整備されてきたとはいえいまだ発展途上です。彼らの反骨精神が今回の奇跡を呼び込んだと言えます」(同前)

 快進撃に“沸騰”しているのがアイスランド国民である。

「グループリーグを突破したオーストリア戦のテレビ視聴率が99.8%、イングランド戦が99.3%だったそうです。数万人規模のサポーターがフランスに乗り込み、イングランド戦では1人のサポーターが180人乗りの飛行機をチャーターして、仲間とともに応援に駆け付けたことも報じられました。勝利すると、ひげ面の主将グンナルソンの合図で選手、スタンドが一体となって手拍子する『勝利の儀式』も反響を呼びました」(スポーツ紙記者)

 3日の準々決勝ではさすがに開催国フランスに2対5で敗れたが、真夏でも最高気温が15度を下回るアイスランドにとって、忘れられない熱い夏になったようだ。

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