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大韓航空“パワハラ一家”に疑惑続々 “水かけ姫”の母も暴行

報道陣の質問に答える顕旻氏 ©時事通信社

 5月11日、韓国警察は、大韓航空の元専務・趙顕旻(チョヒョンミン)氏(34)に対して、業務妨害の容疑で書類送検した。顕旻氏は、大韓航空を中心とする財閥、韓進グループの趙亮鎬(ヤンホ)会長の次女である。

「今年3月中旬、彼女は大韓航空の広告を手掛ける広告会社社員との会議中に、罵倒を浴びせながら担当者めがけて水をぶちまけた。彼女が日常的に高圧的な態度をとることを憂いていたと思しき人物がSNS上に投稿し、大騒動となりました」(韓国紙記者)

 彼女の姉は、14年にいわゆる“ナッツ・リターン”事件を起こした「ナッツ姫」こと趙顕娥(ヒョナ)・元大韓航空副社長。そのため、今回の事件を受けて、妹には「水かけ姫」の異名がつけられた。

 顕旻氏は姉の顕娥氏と同じく米国の南カリフォルニア大学卒業。帰国後にソウル大学経営大学院に進学し修士号を取得したエリートだ。

「07年に韓進グループに入社すると、14年には大韓航空の専務に就任。韓国の大企業の役員就任最年少記録を塗り替えた。一方で、姉が逮捕される直前には『(告発した社員に)必ず復讐する』とのメールを姉に送っていたことが分かり、世間を呆れさせました」(同前)

 水かけ事件の発覚後、父親の趙亮鎬氏は謝罪し、顕旻氏をすべての役職から辞任させる意向を発表した。だが、経営者一族による度重なる“カプチル(韓国語でパワハラの意)”に、批判の声は強く、検察当局が逮捕状請求を棄却した4日夜には、ソウル市内で一族の退陣を求めるデモが行われ、マスクを被った現役の大韓航空社員も参加した。

 さらに姉妹の母親、李明姫(イミョンヒ)氏(69)にまで暴行疑惑が浮上している。李氏の父親は朴正熙政権時の国土交通部事務次官を務めた超エリート。現在はグループの一宇財団の理事長を務めているが……。

「その李氏が工事現場で関係者に暴行をする動画がメディア上で公開され、警察が捜査を進めています。さらに母子が海外で購入したブランド品などを航空機部品と装い密輸した疑惑まで浮上。韓国関税庁が関係個所に家宅捜索に入っています」(産業タイムズ社ソウル支局長の厳在漢氏)

 大韓航空の株価は一時7%以上下落するなど騒動の余波は収まらず、すべてを水に流せる状態ではなさそうだ。