文春オンライン

「#限界コスメ」「人類モテ」……コスメ事情から見えてくる、オタク女の変化とは

『浪費図鑑』(劇団雌猫)

2018/05/19

「コスメ垢」のユーザーもやっぱり浪費していた

 なかには、もともとフォロワー数がいて、企業に頼まれてアイテムの宣伝ツイートをしているような人もいることでしょう。しかし、試しに「コスメ垢」「イエベ春」「ブルベ夏」などでツイート検索してみてください。そこには、決して企業に頼まれているわけではないだろう規模感のフォロワー数で、熱心にコスメの情報を収集し、新発売のアイテムを購入し、ときには同種アイテムのいろいろな色の発色を試した写真をアップして、飽きることなくコスメを探求し、ツイートを続けている人たちがたくさん存在しています。

 つまり、美容・コスメ垢というのは、「美容・コスメに浪費するオタク」と言っても過言ではないのです。

 ちなみに、「イエベ春」「ブルベ夏」というのは、正式には「イエローベースの春タイプ」「ブルーベースの夏タイプ」のこと。これは、個々人の肌色に応じて似合うコスメやファッションの色味が存在するという「パーソナルカラー」の考え方に基づいたタイプ分類を意味しています。最近ではファッション誌でもこの分類に基づいたコスメ紹介がされることが増えてきました。

ADVERTISEMENT

「and GIRL」(2018年5月号)(パーソナル)カラー診断は、雑誌の表紙にも登場するほど浸透した概念に

 その人のパーソナルカラーによって似合うコスメの色味が変わってくるため、みんなお互いに参考にしやすいように、コスメの発色を「スウォッチ」(コスメの色味を実際に試すこと)したものをツイートし、アカウントのbio(紹介文)にパーソナルカラーを記載するのです。まるでオタクが、自分のジャンルや推しカップリングをbioに書くように……。

「イエベ春」ツイートを検索した結果