文春オンライン

ヒャダインが語る「日テレ=豊臣秀吉」論とは

ヒャダイン×てれびのスキマ「日本テレビのえげつない勝ち方」#2

note

全社的に勝ちに向かっていった

戸部田 実際、ヒャダインさんは日テレやフジに出ていらっしゃいますが、そこでの違いみたいなのは感じますか。

©深野未季/文藝春秋

ヒャダイン 社内のイメージが違いますね。入口入ったときからびっくりします。フジはあんな拓けた場所にあるのに、ドヨンとしているときもある。人が少ない。一方日テレは、入るやいなや、人の出入りが激しくて、ワーワーしていて、毎日エレベーター前に、昨日の数字が良かったものを10番組ぐらいガンガン貼り出す。フジは一応エントランスに数字が貼ってあるんですけど、よく見たら3カ月前とかで。だから社内全体の雰囲気が違う。

戸部田 この本でも書いたのは、日テレが勝ったのは、番組のつくり手の功績だけではないということ。氏家さんや萩原さん(敏雄、90年代の日テレを編成局長としてけん引。その後社長に)といったそれを指揮した人、編成、営業はもちろん、それ以外の社員たちも含めて全社的に勝ちに向かって一丸となっていったからだと。

ADVERTISEMENT

「落ちこぼれ」の逆襲

ヒャダイン そう。それが未だに残されているというのはすごいなと思って。王者としての驕りがない。豊臣秀吉みたいですもん。生まれついての金持ちじゃないから、トップにいてもずっと不安で、ずっともがいている。秀吉のイメージと日テレってすごくピッタリ来ますね。倹約家で成り上がりな感じとか。

©深野未季/文藝春秋

戸部田 この本でも、日テレの人たちはみんな元々「落ちこぼれ」意識が強かったことを書きました。それから逆襲していく話。それは社長だった氏家さんでさえそうで。氏家さんは最初に読売新聞から日テレに来たときに大失敗して、一度は日テレを追われるんです。そこで「空白の6年」というとっても苦しい時代があって。それでも逆転していくわけです。ヒャダインさんも、デビューまでは結構苦労されたと思うんですけど、その下積み時代はどう思っていましたか。