昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載DMM亀山会長に聞いてみた。

懇意にしている社長に恩を売っておけば転職に有利?――DMM亀山会長に聞いてみた

かめっち会長の相談室

2018/05/18

Q 懇意にしている取引先の社長から値引きのお願い。少しでも恩を売っておいた方がいいでしょうか?

 いつも懇意にして頂いている取引先の社長Aさんから、当社の製品の値引きをお願いされました。規模の割には大きめの値引きなので、当社に利益はほとんど出ないのですが、損害が出るというほどの問題でもありません。Aさんには「会社を辞めたときはいつでもウチに来てよ」と誘われてもいます。ちょうど転職を考えていたところなので、少しでも恩を売っておいたほうがいいと思うのですが、どうでしょうか?(36才・男性・営業職)

A 「恩を売る」なんて超勘違い。おだてられて、弱みを握られて、悪党に利用されるだけ。

「会社に損害がない」とか言い訳をしているけど、明らかに会社に対する不正行為。接待されて、口説かれて、悪党に絡め取られるパターンだね。会社に対して引け目のある取引を一度でもすると、Aさんからの要求がエスカレートしても断れない。そのうちリベートとかの話を持ちかけられたり、いつの間にか深みにハマるよ。

 Aさんも共犯だから対等だと思うのは間違い。事件が発覚すれば責任を取らされるのは君だけ。会社からすれば、取引先が値引き交渉をするのは責めようがないし、その後も値段を戻した上でAさんとの取引は続くかもしれない。でも、君はたぶん降格か首を切られると思うよ。

 そして、Aさんは絶対にキミを雇ってくれない。悪党は信頼で繋がっているわけではなく、利害関係でのみ繋がっているからね。君がその会社を辞めた段階で縁が切れる。

 Aさんの立場になって考えてごらん。自分の甘い言葉に釣られて会社に不利益な取引をするキミを信用できると思う? 今の会社にいるキミには価値があるけど、自分の会社に入れるのはリスクでしかない。

「恩を売る」とか言ってること自体が超勘違い。おだてられて、弱みを握られて、利用されるだけ。もし、本気でそこに転職したいと思っているなら、不当な値引きをきっぱりと断った方が、むしろ可能性があるだろうね。

 言い訳をしないと悪いこともできず、悪党の思惑も見抜けない善良な君は、今の会社で真面目に勤め上げたほうが賢明だと思う。少なくとも君に値引きの裁量があるのなら、それなりに会社の信頼はあるということだからね。

 覚悟もないのに成り行きで悪に手を染める奴は、ロクな人生を送らない。「これくらいなら」と、自分に言い訳しながら、ズルズルと「これくらい」を大きくしていく。

 そんな奴は悪党になっても手下にしかなれないんだから、どうせ手下になるなら、普通の会社で「真面目だけが取り柄なもんで」と、言いながら働いたほうがマシ。会社を辞めたいなら、信頼を守ったまま転職するのはいいと思うよ。「立つ鳥、銭を盗まず」ってことだね。

 

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム