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菅野 朋子
2018/05/18

文在寅政権は“一強”状態 野党代表がハンスト抗議するも総スカン

米朝会談で韓国保守派は存亡の危機に

 非核化を巡る米朝の激しい駆け引きが表面化した。

 韓国では、北朝鮮の反発を「柔らかな抗議」(北朝鮮専門家)とした分析が大勢で、16日に行われるはずだった南北高官級会談のドタキャンについても報道のトーンは控えめだ。

 それもそのはず。

 韓国は南北、米朝首脳会談のブラックホールに吸い込まれたかのような雰囲気で、文在寅大統領も就任1年(5月10日)を迎えた支持率が83%とこれまでで最高の支持率を記録した。60代以降の75%を除き、10~50代からは80%以上の絶大な支持を得ていて、いずれもその理由に南北首脳会談(4月27日)とそれに伴う南北関係の改善をあげている。

南北首脳会談によって、文在寅大統領の支持率は過去最高になったが ©getty

「運にも見放されている」

 米朝首脳会談の日程も発表され、韓国では連日、その話題で持ちきりだが、苦虫を噛みつぶしているのが韓国内の保守派勢力だ。

 なんとかブラックホールに吸い込まれまいと声をからしているが、与党「共に民主党」とは国会の議席では大差はないものの、支持率では大きく水をあけられている(5月14日時点で55%vs18%)。しかも、よりによって米朝首脳会談は保守派の死活をかけた統一地方選挙前日に行われる。

「運にも見放されているというか」

 こう、中道系の韓国全国紙の記者は苦笑する。

「南北や米朝首脳会談がなかったとしても、人材も、ビジョンも、イシューもない今の保守派が“じり貧状態”なのには変わりがありません。野党第一党の『自由韓国党』が保っている支持率は何があっても揺るがない保守の基盤支持層の数字で、もし統一選でこの数字が割れるようなことがあれば、存亡の危機に陥ってしまう。統一選前日の米朝首脳会談開催は、まさに弱り目に祟り目というしかないでしょう。

 だいたい、4月には文大統領の腹心にスキャンダルが飛び出して、保守派には起死回生となる絶好のチャンスがめぐってきたにもかかわらず巻き返せない。その弱小化は深刻です」

保守派の運命はいかに。写真は韓国の国会議事堂 ©iStock.com

第二の崔順実事件かとマスコミも色めき立った

 スキャンダルとは、文大統領の側近中の側近で、慶尚南道知事の与党候補となっている金慶洙氏をめぐるネット世論での操作疑惑だ。すわ、第二の崔順実事件かとマスコミも色めき立ったこの事件、発端は平昌冬季オリンピック開催前にさかのぼる。

 流れを簡単に追うと、年明けに北朝鮮が平昌冬季オリンピック参加を表明すると、文政権はすぐさま女子アイスホッケーチームを南北合同チームにすると発表した。しかし、これに若い世代が猛反発。長い間オリンピックを目指して懸命に練習してきたのに代表チームから外された韓国のメンバーと、努力しても就職もままならない不遇な自分たちの身の上を重ね合わせたのだ。

 ネットにはこうした反発を煽るような書き込みが乱舞し、合同チームを批判する記事の「いいね」の数字が膨らんだ。与党「共に民主党」は「これは不正操作されている」と1月末、警察庁に不正操作を告発し、捜査が始まった。ところが、ふたを開けてみると、逮捕されたのはなんと「共に民主党」党員だった。

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