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「(身体に)悪いのは分かっている、でもやめられない」という普遍的な問題

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を読んで

2018/05/17

なぜ私たちは、分かっていながら健康を害するのか

 しかも、津川さんの本は論文含め圧倒的に正しい。私の言っていることは、単なる「劣った文化論」であり「節制のできない現代人のみじめな言い訳」であり長生きしたければ大人しく野菜と魚とナッツで作った薄味の料理を考えて喰えという話であります。そこには「これぐらいならいいだろう」とか「○○グラム以下ならリスクを下げられる」といった救いはどの論文にもない。食べれば食べた量だけ上がるリスク。問答無用の圧倒的根拠。いや、その通りです。科学的に全く正しい。反論の余地がない。申し訳ございませんでした。

 もうここから先の人生、まずは自分の人生においてきちんと神から与えられた蝋燭の一滴までしっかりと燃やし、この世を照らす一助となるべく頑張ってまいりたいと思います。

 で、ここまでエビデンスがしっかり出ている状況で、酒タバコなど嗜好品は当然身体に悪いとして、社会に定着しているさまざまな食品類で身体に悪いと確実なエビデンスが出てしまっている物はどうすれば良いのでしょう。毎日白飯ではなく玄米など精製されていない炭水化物を摂ろうという運動を始めればよいのでしょうか。

つけ麺を食べながら、津川さんの本を読む(写真:筆者)

 なぜ私たちは「これは身体に良くない」と分かっていながら、酒やタバコや有害な食事に高いカネを払い、健康を害しながら生きていくのでしょう。科学的に間違っていることをするのが背徳的と感じられる時代になっていくほうが、私は望ましいと思います。健康のためなら死んでもいいってほどではないけど毎日健康に気を使っておきながら、過ちと分かってもラーメンを喰ってしまう己の弱さに愕然とするのです。そして、過ちを犯すたびに本書に贖罪するほかありません。明日は今日より正しい道を歩むことを誓います、と。もうラーメンの汁は残します。