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西城秀樹が遺したメッセージ「2度の脳梗塞には感謝している」

追悼・西城秀樹 生前語った「3度目の人生」

2018/05/17

source : 文藝春秋 2016年12月号

genre : ニュース, 芸能, 社会, 医療

「7.5分」くらいの生き方で

 野菜といえば昨年、埼玉県入間市に「体験型市民農園」をオープンしました。家庭菜園作りの番組に3年出演したのがきっかけです。無農薬と有機栽培にこだわった野菜を自分で育て、食べる。こんなに味が違うのかと思うくらい美味しくて、畑仕事が楽しみになっています。

 いまは毎朝40分程かけて近所の公園へ散歩に行くほか、家でバランスボールなどを使ったストレッチ。発声のために、奥歯で割り箸を噛む訓練も続けています。空いた時間があれば東洋医学のリハビリに行って、骨格矯正や筋力のトレーニングを2時間半。調子のいい日はつい欲張ってしまいますが、頑張り過ぎると脚の調子が悪くなる。100%全力投球は長続きしません。何ごとにも余裕をもって、やはり「7.5分」くらいの生き方がいいんですね。

©文藝春秋

 デビューから45年の今年、ステージには70回くらい立っています。移動は大変ですが、普通の生活をすることが大事ですから。『YOUNG MAN』も踊って歌ってますよ。「YMCA」の「C」のポーズで身体の左側に重心をかけるとき、ふらつかないように気をつけてね(笑)。

いまは、3度目の人生だと思っています

 病気になる前は「カッコよくあることが務めだ」と信じていたし、2度めに倒れたあとは「こんな姿は誰にも見せたくない」と落ち込みました。しかしいまは、たとえ不自由でも、ありのままの姿を見てもらえればいい。むしろ、ちゃんと見てもらいたい。そう思えたら、とても楽になりました。脳梗塞やほかの病気と戦う人を勇気づけられたら――それがぼくの生き甲斐です。

 最初に脳梗塞で倒れるまでが1度目。また倒れるまでが2度目。そしていまは、3度目の人生だと思っています。価値観を変え、大切なものに気づかせてくれたという意味で、ぼくは病気に感謝してるんです。病気にならずに気がつけば、もっとよかったんですけどね(笑)。

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