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自殺した農業アイドルの大本萌景さん(16)母は「娘の死を無かったことにしないで」

 愛媛県松山市を中心に活動する農業アイドルグループ「愛の葉Girls(えのはがーるず)」のメンバーだった大本萌景(おおもと・ほのか)さんが、2018年3月21日に自宅で首を吊り、16歳という若さでこの世を去った。5月19日のネット生放送「直撃! 週刊文春ライブ」と、「文春オンライン」では萌景さんの母親の涙ながらの告白について報じ、大きな反響を呼んだ。

大本萌景さん/遺族提供

「ももいろクローバーZ」が好きで、アイドルに憧れて中学2年から「愛の葉Girls」の研修生になった萌景さん。中学3年でレギュラーメンバーに昇格し、順風満帆のスタートを切ったように見えたアイドル活動だったが、大きなつまずきは、運営会社である農業生産法人「hプロジェクト」の方針で学業が大幅に制限されたことにあったという。萌景さんの携帯電話に残されたLINEや母親らの証言からは、「hプロジェクト」代表のS氏やスタッフからの言動によって、萌景さんが次第に追い詰められていく様子がうかびあがってきた。

 あらためて萌景さんの母親に、現在の心境を聞いた。

あの日から、時間が止まってしまった

遺族提供

「萌景が亡くなってから2カ月が経ちましたが、私たち家族はまだその事実をうまく受け止められないままでいます。あの日から、時間が止まってしまったようで……。

 普段から、萌景は『愛の葉Girls』の仕事で家にいないことが多くて、今でもイベントに出かけているような感覚なんです。レッスンが月・水・金、土日になったらイベント。そんな毎日でしたから、萌景がそのうちふらっと帰ってきそうな……。そんな感じなんです。今はまだ、夜になると萌景の仏壇の前に布団を並べて家族で寝ているのですが、朝起きてぱっと目を開けると仏壇が視界に入る。そうやって現実に引き戻されて、1日が始まります」

 萌景さんは、高校1年で火曜日と日曜日が登校日の通信制高校に進学したものの、「愛の葉Girls」の仕事で、特に日曜日はイベントに出かけなければならないことが多かった。萌景さんから仕事を休みたいと事務所スタッフへ連絡しても、相談に乗るどころか「お前の感想はいらん。学校の判断と親御さんの判断の結果をそれぞれ教えろ」などと高圧的なLINEの返信が続き、許可されないことが複数回あった。母親からの連絡には「この相談は萌景本人からじゃないと聞けないことになっています」と取り合うこともしなかったという。学校を休みがちになった萌景さんは、高校1年の前期だけで4単位を落とし、後期は一度も学校へ登校しなかった。

事務所スタッフと萌景さんのLINEのやり取り
マネージャーと母親のLINEのやり取り