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若大将シリーズの“澄ちゃん”星由里子死去 結婚3回、波乱の人生

星由里子、20歳のときのポートレート ©文藝春秋

 昭和の名女優・星由里子が心房細動及び肺がんで74年の人生の幕を閉じた。

「5月上旬から京都市内の病院で入院治療していましたが、16日に容態が急変、夜11時5分に息を引き取った。晩年は夫の会社役員・清水正裕氏と、98歳になる義母の世話をしながら悠々自適に暮らす一方で、女優業も年に1、2本はこなしていた。昨年も『大岡越前スペシャル』(NHK-BSプレミアム)、『水戸黄門』(BS-TBS)にゲスト出演。歳を重ねても、彼女の代名詞である“清楚さ”は変わりませんでした」(在阪芸能記者)

 星は1958年、14歳で東宝「ミス・シンデレラ娘」コンテストに優勝して女優への道を歩み出し、翌年には映画デビューを果たした。

「同じ高校の1学年下にいた吉永小百合(73)と同年の映画デビューでした。“八重歯のシンデレラ”と呼ばれ頭角を現したが、当たり役は何といっても加山雄三(81)主演の『若大将』シリーズで、8年に渡り演じたヒロイン・澄子。後々まで、ファンからは『澄ちゃん!』と呼びかけられていたそうです。69年にヒロイン役を後輩の酒井和歌子(69)に引き継いだ後は、次第にテレビドラマへ移行。人情物など芝居の幅を広げた。75年にはフジの時代劇『江戸の旋風』で加山と久々に共演しました」(元・映画関係者)

 一方、私生活は波乱続きだった。

「『若大将』シリーズを降板した翌年、25歳で白木屋乗っ取りなどで知られる実業家・横井英樹氏の長男と電撃結婚したが、性格の不一致で3カ月で離婚。6年後にドラマ『細うで繁盛記』で知り合った関西の重鎮脚本家・花登筐(はなとこばこ)と不倫の末に再婚。結婚生活は順調でしたが、8年後に花登が55歳で死去。90年、知人の紹介で知り合った同い年でバツイチの清水氏と再々婚。子供はいなかったが安住の地、京都で幸せに暮らしていた。通夜の際、囲み取材に応じた清水氏は『気さくで、やさしい人でした』と妻に言葉を手向けていました」(芸能デスク)

 病室で痛む背中をさする夫への「ありがとう。だいぶ楽になったわ」が最後の言葉だったという。20日の会葬では、200人近い参列者が「ありがとう」の言葉で星を送った。合掌。